2024年1月13日 08:00
デジタル全盛時代に、オンキョーは独自のVLデジタルというデジタル増幅回路を開発します。
当初はAVアンプへの搭載でしたが、A-1VLを皮切りにハイファイアンプへ応用していきます。
そのフラッグシップと言えるA-1VLの後継機であるA-5VLの発売から2年、A-5VLを磨きあげて作られたVLデジタルの傑作アンプがA-7VL(2011年発売、定価11万円)です。
オンキョー A-7VL(最上部)
ティアックのCDプレーヤーの下に置いているのがA-5VL
同じ環境とリファレンスで音の聴き比べを実施中
ちなみに、左に見えるのは真空管パワーアンプの名機中の名機ラックスマンMQ60
デジタルアンプと真空管アンプの音色の比較は極めて有意義な結果を得られました
A-5VLと同様に、オンキョー独自のVLデジタルに加えて192Khz/24bitという高性能且つ高音質で定評のあるバーブラウン社製のDACを搭載しています。
トーンコントロールなどの音質調整など全てをカットして高音質を追求したとありますが、正直A-5VLをソースダイレクトモードにして切り替えて同じリファレンスで比較してみると音質も音色もほぼ同じに感じます。
ちなみにヘッドフォンで聴くと、楽器の分離度はA-7VLの方が綺麗に分離されている感はありますが微小な違いです、聴き慣れたソースでよく聴き込まないと違いは解りません。
なるほどA-5VLはソースダイレクトだと音質も音色も数段階上のクラスの音に変わるのですが、それならばとA-7VLは最初からそれを前面に押し出して音に味が付く回路を全て排除した分部品を高級化するなどのチューニングを施した製品なのかもしれません。
デザイン的にはA-1VLとほぼ同じですが、A-1VLの後継機ではなくスペック的にもあくまでもA-5VLのブラッシュアップ版です。
私的には価格的にA-5VLの方がコストパフォーマンスが高いという評価です、音質だけではなくスペックを見ても同じですから。
VLデジタルアンプの音色は私の好みの音色で、ドラムのハット系の金属質にリアルに響く様は必聴ものです。
ピアノの高域もサックスも文句無しです、テナーサックスの中音域は太く押し出して最高です。
ちなみに私のコレクションアンプでVLデジタルアンプは本機が4台目となります、私の好みの音色という根拠がここにあります、50年代に録音されたジャズピアノトリオは本当に理想的な響きが心地良いのです。
ハードバップ系ジャズ+VLデジタルアンプの相性は抜群だと思います、ストレス無しで本当に気持よく鑑賞できます。
ただ、低音域は大型スピーカーで聴くとVLデジタルアンプ共通の事項で軽いというかちょっと物足りなさを感じます、ただ人によっては耳に優しい上品な音色と感じる低音かもしれません。
ケースの補強や作り込みはA-5VLに比べてお金をかけて丁寧に改善しているのが解ります、特に底面補強は完璧です。
高級な部品を使っていてのリーズナブルな価格は最大の魅力で、メインシステムとしても気軽に長く愉しめる極めて優秀なアンプだと思います。