2023年12月16日 08:00
オンキョーが世にVLデジタルという独自方式で製品化したハイファイデジタルアンプのA-1VL(2004年発売、定価16.8万円)ですが、翌年そのエッセンスを詰め込みミニコンポサイズにしてトーンコントロールなどを追加し更にコストダウンさせたVLデジタルアンプがインテック275シリーズとして誕生します。
それが本機オンキョーのA-933(2005年発売、定価8万円)です、シーリングパネルの採用などデザイン的にはハイコンポの秀作A-922Mの流れを汲んでいます。
その4年後にフルサイズコンポのVLデジタルアンプA-5VLが同価格で誕生し、スペック的は本機とほぼ同じです。
その意味では、本機A-933に比べてA-5VLは極めてコストパフォーマンスが高いと言えます。
オンキョー A-933(写真下)
上に乗っているのは同シリーズのCDプレーヤーであるオンキョーC-733
A-933のシーリングパネルを開いた状態
さて、肝心の音質ですがサイズからは想像できないほど完成度が高いです、ただA-5VLと聴き比べてしまうとA-5VLの方がバランスが取れた上品な音色がします。
また、コンビとなるCDプレーヤーもC-733はCD専用ですが、同じ価格でA-5VLのコンビのC-S5VLはSACD対応です、コンビのCDプレーヤーも4年で高スペックに変貌してしまうのです。
とはいえ、初期の熟していないVLデジタルの鮮度の高い音色を後世に残しているA-933は、ある意味での重要な秀作と呼んでも過言ではないでしょう。
中高音域のシャープさは耳あたりも悪くなく、特にフュージョンでは最高の音色で愉しめます。
なにせA-1VLのエッセンスを引き継いで価格は半額です、当時としてはかなりコストパフォーマンスが高い製品だったと言えます。
じっくりと聴き込むと言うよりもリビングにそっと置いて聴き流し用に用いると全く気にならないストレスフリーの音色で安心感があります。
C-733とスピーカーにD-212EXなどと組ませて20万円強、リビング用のサブシステムとしては文句無しのハイスペックコンポとなります。
やはりサブシステムでもこのクラスになると、それなりの音色で安心して愉しめるでしょう。