2023年12月 2日 08:00
1990年代にデノンはPMA-S1というハイエンドアンプを誕生させ、その技術をミドルクラスに活かしたPMA-2000によってアンプキングの座をサンスイから奪い取ります。
そんなデノンが誕生させたハイファイデジタルアンプがPMA-CX3(2006年発売、定価12万円)です。
コンビとなるSACDプレーヤーのDCD-CX3(2006年発売、定価12万円)とセットで買われ、人気を博しました。
尚、2年後にPMA-CX3とDCD-CX3を合体させたSACDレシーバーのRCD-CX1(2008年発売、定価17万円)があります。
この3台は、今もなお人気があり中古価格も約半額の高値止まりとなっています。
デノン PMA-CX3
音質は、ハイファイデジタルでもデノンだと解る音作りで一言で言うと癖が無い音色です。
低音域のもたつき感は否めませんがトータルでは深い音域を感じます、こういった音色はジャズやロックファンには好まれないかもしれません、クラシックやバロック音楽などを聴き込むにはストレスが無く最適な音色だと感じます。
ガンガン鳴らし込んで聴くよりも、音楽の有る静かで贅沢な空間演出向きの音色だと思います。
スタイルも丸みを持たせた優しい感じがしますし、大きさも他のハイファイデジタルアンプに比べると小型なのでリビングや寝室に置いても違和感が無いでしょう。
アンプとSACDプレーヤーで24万円、小型ブックシェルフスピーカーを入れて40万円弱、リビングなどにこういった質の良いおしゃれなオーディオセットをさりげなく置いて音楽を愉しむ、なんとも贅沢な演出ができるアンプだと思います。
合わせるスピーカーは、デザイン的にも音色的にもヨーロッパブランドのDALIなどがお奨めです、この時代のデノンはヨーロピアンサウンドを謳っていますので文句無しで合うでしょう。
難点を言うと、液晶表示パネルが赤オレンジ色ですがちょっと暗くて意味が無いと感じることも在ります。
機械的な存在感を無くすのと、ボリュームつまみの木目調のリングとのデザイン性でこういった仕様になったのだとは思いますがちょっと工夫がほしいところです。