ハイファイデジタルアンプの愉悦に浸る~オンキョー A-5VL
2023年11月25日 08:00
デジタル全盛時代に、オンキョーは独自のVLデジタルというデジタル増幅回路を開発します。
当初はAVアンプへの搭載でしたが、A-1VLを皮切りにハイファイアンプへ応用して行きます。
そのフラッグシップと言えるA-1VLの後継機であるオンキョーのハイファイデジタルアンプA-5VL(2009年発売、定価8万円)です。
オーディオ道楽復活直後、買いたいアナログアンプが無い中で見つけたアンプの一つです。
オンキョー A-5VL
オンキョー独自のVLデジタルに加えて、192Khz/24bitという高性能なバーブラウンDACを搭載しています。
是非、CDプレーヤーとは光デジタルかデジタルコアキシャルで接続して、更にソースダイレクトモードで再生して欲しいです。
その音質たるや全ての帯域で極めてレスポンシビリティが高く、まさに軽快そのものです。
特にハット系ドラムの音色は信じられないほど金属質にリアルに響きます、まさにCDに詰まった音源の全てを引き出します。
ピアノの高域の響きやサックスがまた凄い、テナーサックスの中音域はすぐそこまで奏者が飛び出してくるようです。
また、ボーカルも綺麗です、こういった中音域が綺麗なのはオンキョーの伝統的な音色をデジタルアンプにも継承しています。
何でしょう、この超リアル感。
この音質を調整した人は音の天才じゃないかと思うほど一切の癖もなく、それでいてどのレンジの不足感も一切無いというまさに理想的な音質です。
難を一つ言うと低音域です、電源を強力にしてカバーしているようですがアナログアンプのようなドスンと来る硬く締まった押し出し感はありません、聴き流すには良いのですが聴き込みたい時には物足りなさが出ます。
まあ、ただこの音質でこの価格とは何というコストパフォーマンスの高さのでしょうか。
スピーカーの相性としてはオンキョーは勿論ナチュラルサウンドで良いのですが、よりリアリティを求めるなら絶対的にダイヤトーンの大型ブックシェルフです、ダンピングファクターの低さから出てくる低音域の弱さもしっかりカバーできます。
ダイヤトーンは1999年以降は製品を出していません、したがって手持ちが無い人は中古を求めるしかないのですが音色という点では相性は抜群です。