
2010年以降のマランツのAVアンプが凄いです、最新のミドルクラスは7.1Chの本格的な仕様でありながらコンパクトな薄型です。
型式名は「NR1601」に始まり、毎年マイナーチューニングを施され「NR1609」のあとは「NR-1710」と型式が変化していきます。
AVアンプは高級になればなるほどコネクタ類の数が多くなり、放熱効果も考えどんどん大型化するのが常識でした。
その傾向に逆行するかのような薄型AVアンプは、発売当初は価格の割に小型という印象も加わりオーディオファンの評価が低かったのも確かです。
その評価が5世代目辺りから一転してきます、そしてデノン・ヤマハなどのライバルを一気に抜き去り堂々の販売数1位を獲得します。
更に、生産が間に合わなかった半年間だけ2位に転じますが、その後はずっと1位の座を堅持しているのです。
また定格出力を抑え高音質化を目指した設計は、2Chステレオでの利用者数が25%とAVアンプの平均の10%以下に対して大きく差を広げています。
事実、AVアンプをピュアオーディオのメインシステムアンプに使うという人も多いのです、常に愉しむのはCD音源の2Chであり、同じシステムで時々DVDで5.1Chや7.1Chサラウンドを愉しみたいというニーズに合わせてAVアンプも高音質化してきています、その先駆けを作ったAVアンプとも言えます。
また型式の「NR」はネットワークレシーバーを意味していて、インターネットから高音質のハイレゾ音源をダウンロードしての再生や、ブルートゥースでモバイルオーディオと接続してのネットワークステーションとしての利用者も多いようです。
マランツは現在デノンと合わせて2大ブランドを持つエムアンドディホールディングスのオーディオブランドとなっており、ハイエンドからエントリークラスのAVアンプのデノンと上手く住み分けしています。
この薄型AVアンプ革命でホームシアター製品で優位に立ったマランツですが、現在オーディオのマランツに加えてホームシアターのマランツの名を欲しいままにしています。

既に10年以上も前になりますが、ホームシアターでの複雑なスピーカーの音量調整や音質調整をサラウンドモード毎に自動で設定するオートマチック設定機能付きAVアンプが誕生しています、現在では7.1Ch以上のAVアンプのほとんどがオートマチック設定機能が付いています。
このオートマチック設定機能は専用のマイクをAVアンプに接続して、このマイクを視聴位置に置いて自動設定モードにすると各チャンネルから音を出しながら調整を自動で行ってくれます。
AVアンプの各チャンネルの音量バランスから音質などの設定は意外と面倒で、視聴しながら少しづつ微調整を行い最終的にこの状態がベストという設定を得るのに数日かかることもあります。
また一度安定してもセンタースピーカーやサラウンドスピーカーなどをグレードアップした場合には1から全てやり直しとなります、更には面倒な調整をサラウンドモード別に行うのですから、何も気にせずじっくりとホームシアターを愉しむ為には避けて通れない面倒な手順だと思います。
こういった面倒な調整に嫌気を指してAVアンプを嫌い手軽にサラウンドを楽しめるサウンドバーに移行する人もいます、こういったユーザー泣かせの面倒な手順をできるだけ簡単に行ってくれるのが先のオートマリック設定機能ということです。
ただ、各スピーカーを同じシリーズで揃えている場合は良いのですが、自分の好みでアレンジしてスピーカーを接続している場合はこの自動設定モードは不要な長物のように感じることがあります。
何故なら自動設定のバランスが自分好みではない場合が多いからです、私の場合はこの気付きがあって以来全ての調整をマニュアルで設定するようになりました。
フロントとセンターをまずベストにマッチングさせれば合わせるようにサラウンドを設定すればよく、慣れてくると全てマニュアルでやった方がソースに合わせて自分の好みの臨場感を即座に創出できるのでむしろ都合が良いのです。
音楽や映像のソースは供給元によって、また時代によって驚くほどにバラバラです、であればそのソースを試聴しながら調整するほうがソースに入っている音を最大限に引き出せるのです。
車も私は断然マニュアル派です、加速感が得られないオートマチックはどうも運転してる感が少なく好きになれません。
同じようにホームシアターも面倒でも自分好みの音質へのグレードアップ感が得られるマニュアルが好きなのです、何でも他者にやってもらうことがあまり好きではないのかもしれません、全てを自分でやるのが私的だと思うのです。

近年のオーディオ界にもデジタル化の波が押し寄せています。
オーディオと言えば昔からアナログの世界です、何故なら音という世界はアナログな存在ですから最終的にはアナログでしか音を聴くことはできないからです。
それでも、最終段までオールデジタルというデジタルアンプやデジタル音源が氾濫するようになっています。
そこでそういった機器類の多くはリモコンで操作する機器が増えており、リモコンが壊れると本体だけでは何もできない機種も多くなりました。
特にホームシアターで活躍するブルーレイプレーヤーやHDDレコーダーなどは、今では操作の全てがリモコンによるものになっています。
ここで何が問題かというとリモコンが壊れてしまった時です、勿論新しいリモコンを買えば良いのですがリモコンの価格がけっこう高いのです、更に古い機種になると既に製造中止のものまであります。
そこで自分で修理しようと試みても100%修理不可能です、最近のリモコンは修理することを前提に製造されていませんし、防水処置で電池交換の蓋以外は開かないように密閉されているものが殆どです。
また、仮に分解できたとしても昔のようにボタンが付いているわけではなく、薄い表面皮膜がスイッチの代わりをしているので接点を磨くくらいしかできないのです。
多くのリモコンの故障は、内部にあるマイコン自体もしくは周辺ICの故障であり圧着製造なので交換すらできません、また交換用部品も手に入りません。
こういったトラブルを解消する方法は、購入の際に価格は高くても名の通ったブランド品を購入するというのが一番です。
何故なら、名の通ったブランドであればかなり古くてもその機種を操作可能な純正リモコンやそのリモコンが既に生産中止になっていてもアップグレードの代替え品が必ず存在しているからです。
更に、数社のブランド製品を一台で操作可能なマルチリモコンという製品がありますが、マルチリモコンも名の通ったブランドが対象となっています。
マルチリモコンは専業のメーカーが存在しており、純正品に対して半額ほどの価格で新品が購入可能です。
つい価格が安いので無名の機種を買ってしまうと、リモコンが壊れたとリモコンを探すも中古で1万円以上もするものを購入するしかないという悲劇が後々生まれるわけです。
こういった意味からも、リモコンで操作するオーディオやホームオーディオ機器は必ず日本製の名の通ったブランド品を購入する事をお薦めします。