2024年12月18日 07:00
オーディオという言葉は極めて広い範囲を指しています、例えば駅・空港・建物内の構内放送、ラジオやテレビ放送局のモニター、映画館・ライブハウス・コンサートホールなどの音響設備そのものの全てがオーディオなのです。
オーディオの中でも家庭で音楽鑑賞を楽しもうとする趣向がホームオーディオであり、更にはこの音質を極めていこうとする趣向をハイファイオーディオと呼ぶわけです。
ハイファイオーディオ道楽とは、録音された音情報をどれだけ正確に引き出し、聴く部屋による環境などを整え、生音にどこまで近づけることができるかということを追求する道楽であると言っても過言ではありません。
したがって、こういった趣向に沿った低ノイズで周波数レンジが広いアンプやスピーカーが重要になってきます。
ちょっとしたノイズでも出さないようにするためにケーブルや設置方法にも拘ります、それでも自分の目指した音にはなかなかならず葛藤の日々を繰り返すのです、なんと無意味とも思えるほど過酷な道楽なのでしょうか、それでも理想の音色に近づくにつれ愉しさも倍増してきます。
対して、ホームシアター道楽とはハイファイオーディオ道楽とは対立するような音質を極める道楽となります。
近年のDVDやブルーレイにはドルビーサラウンドというシステムを使った音情報が入っています、これらはAVアンプを使うことでチャンネル別に音情報を振り分けて取り出すことが可能となります。
もっともその前に、DVDやブルーレイプレーヤーがこれらのロジックに対応していることが前提条件となります。
そういった意味では、どんどん新しい方式が生まれてきますので一定の間隔で次々と最新のプレーヤーとAVアンプの交換が必須になってきます。
古いものでも使えますが、最新の方式は疑似再生となり本来の持ち味は体験することは不可能です。
またAVインターフェースもどんどん新しくなってきており、過去のAVアンプでは繋ぐ事ができないなどのトラブルが起きてきます。
したがって、DVDやブレーレイプレーヤーとAVアンプは定期的に新製品を購入して行かなくてはなりません、10年で価値ゼロの骨董品になると言っても過言ではありません。
中古市場でもハイファイオーディオ製品は一向に値下がりしないのに、AVアンプは年代を増すごとに急速に安くなっていくのをみても解ります。
話しを戻しますが、ホームオーディオでは複数のチャンネル別にスピーカーが必要になります、そしてそれらの音量と音質を合わせていかなくてはなりません。
つまり、ハイファイオーディオよりも音質を極めようとすると確認ポイントが数倍多くなります。
そして、求められる音質はDVDやブルーレイに収められた音情報をどこまで正確に再生できるかということですが、この音質は生音ではなくサウンドクリエーターによって作りこまれた音情報だということです。
作りこまれたとは意図的に加工された音であり、SFなどでは信じられない重低音から複雑に絡んだ中高音域など迫力ある音質で再生しないと映画館のような音質にはならないのです。
ライブハウスや映画館の音をそのまま家庭に持ってくる、これを極めるのがホームオーディオという道楽なのです。
迫力ある音を再現するのは繊細さではなく押し出てくるような迫力です、ナチュラルな音質よりも元気な音質が求められるのです。
ちなみにAVアンプで映像再生用のドルビーサラウンドモードのまま音楽CDを再生すると、ドンシャリを越えて超ド派手な音質となりとても音楽として聴けたものではありません。
またステレオモードの音がサラウンドプロセッサによって左右前後に分割され、更には別の楽器の音と混ざり合って音楽にならないほど酷い音となります、もうこれは大きな音のノイズ以外の何物でもありません。
AVアンプでCDを再生して音楽を愉しむ時には、確実に音楽専用モードかステレオ再生モードにしなくてはなりません。
それでもやっと聴ける程度であり、やはりハイファイオーディオとホームシアターでは求める音がまったく異なることが理解できます。
更に、ハイファイオーディオとホームシアターを兼用するなら、CDで音楽を愉しむ時はフロント以外のチャンネルをシャットダウンするステレオモードで、しかもサブウーハーもオフにすることをお薦めします。
近年では、フロントスピーカーとしてどちらの趣向にも使えるようなスピーカーを各社が苦労を重ねて作り出しています、その多くがトールボーイ型のスピーカーというスタイルになります。
更にはセンタースピーカーやサラウンドスピーカーはハイファイオーディオと兼用するフロントスピーカーとはまた別の音質が求められます、理由はセンターとサラウンドチャンネルは中高音域が中心で低音域が入ってないからです。