2024年10月11日 07:00
オーディオマニアは実に面白いと思います、私も含めてですが年に100万~200万とオーディオにかけるお金が有るなら、手っ取り早く高音質を求めてどんと一気に300万円超のハイエンドなアンプとスピーカーを買えばよいと思うのですが何故かそうはしないのです。
ハイエンドアンプにハイエンドスピーカーを買ってしまえば、10年間はシステムを入れ替えずに済むので10年スパンで見れば大幅に道楽に費やす費用を抑えられ実は経済的にはこちらの方がよいわけです。
しかしオーディオマニアの選択肢は異なるのです、100万有ればミドルクラスのアンプ3台にミドルクラスのスピーカーを3セット買ってしまうのです、しかも毎年のようにです。
その理由は簡単です、高音質な音を手っ取り早く求めるのがオーディオマニアではないからです。
そもそもジャズやポップスを愉しむのにハイエンドアンプは無用の長物で、それよりも多少荒くても張り出しと切れの良いシャープな音色のほうがライブ的な迫力で愉しめるというものです。
また、製品別による音の変化やミドルクラスのアンプをハイエンドのアンプの音質に近づける日々の探求そのものが愉しいのです。
手っ取り早くハイエンド製品を買ってしまったら、そこで本来の愉しみがなくなってしまい、おそらくずっと変わらぬシステムを10年も使っているでしょう。
この状態は道楽停止状態と同じであり、それを善しとしないところがオーディオマニアたる所以だと思うのです。
馬鹿かと思うほど毎週のようにアンプやスピーカーを入れ替え、頻繁にショップに行っては音質向上のために工夫できるアクセサリー類を探し回ります、こんな道楽の何が愉しいのでしょう?
私自身、音に対する理想とかオーディオ道楽そのものの意義や理由が解らなくなるときもあります。
そんな無意味に思える葛藤と努力が面白いのだろうと思うのです、その最高の喜びが自分の理想とする音が作り出せた時です。
更に、押し並べて一見して無意味に思えることに没頭できる状況って幸せなことだと思うのです。
「今日はどんな美味しい物を食べようかな?」、と思いを巡らすのと似ているのかもしれません。
だいたいそういう人は、同じお金を使うなら特大ステーキ1枚よりもいろんな料理を少しずつ食べたい人なのです。
横道ですが料理とは感動するのは一口目だけなのです、二口目からは愉しむのではなく食べる行為に過ぎないと思えてしまうのです。
ちなみに私は大盛りサービスにはまったく興味がなく、それならばサイドメニューをサービスして欲しいと思う派です。
何が言いたいのかというと、ハイエンド製品を買ってしまうと最初のうちは感動しますがすぐ飽きてしまうという話しです、飽きてしまった高額商品をどうします?
アンプとスピーカーを3セットずつ買えば9通りの愉しみが待っているのです、更に手持ちの製品と合わせたら愉しみは未来永劫続き、その音の組み合わせは無限大です。
週に一度はシステムを入れ替えるというオーディオマニア諸氏、実は実際の音を通して耳を鍛えているのです。
ブラインドテストをすると、ワインソムリエのようにピタリとブランド(メーカー)と年代を当てることができます。
凄い人は特定のブランドであれば型名までズバリと当てることができます、これが一つのオーディオマニアの愉しみでもあるのです。