2024年10月 7日 07:00
オーディオ道楽の仲間は昔から数多くいますが、みなさん本当に与え合いの精神の持ち主なのです。
オーディオ道楽の多くは日々の音質を極める活動と並行してコレクションを行っている人が殆どです、高級なハイエンド製品を買うお金があればミドルクラスやエントリークラスの製品を数多く揃えたいというのがオーディオマニアの思考なのです。
それぞれの製品の異なる音色をコレクションし、その違いを確認したり組み合わせを自分なりに工夫することがオーディオ道楽の一つの喜びでもあります。
それでもどんな人にも経済的な限界というものがあります、そこで与え合いの精神が重要になってくるのです。
例えば同じメーカーのシリーズでの音質の違いを同じ環境で確認するには一度に5台のアンプやスピーカーを買わなくてはいけなくなります、そういった場合にはそれぞれが持っているアイテムを持ち寄って合同で音質確認したりします。
こういった持ち寄り試聴会は友人同士は勿論ですがオープンな形でも昔から各所で行われており、私も80年代にはタクシーでアンプやスピーカーを運んでは参加していました。
こういった活動を通して生きた情報を得ては次に買うべき製品を互いに確認し合ったりするのです、この試聴会は全員で音体験を共有できそれぞれが体験した貴重な情報を共有できるので80年代には毎回満員御礼の状況でした。
場所は喫茶店やレストランを経営している人が休みの日に無償で提供します、またコレクションの交換会や即売会なども同時に開催されるのが常です。
こういった交換会や即売会の製品はみな美品の完動品を出すのが暗黙のルールで与え合いの精神からきています、大事にコレクションしている製品を出品しますから本当にどれも新品同様に綺麗なものばかりです。
試聴会後の飲み会ではそれぞれの意見や感想を好き放題言い合うのですが、互いの感性を尊重し合い喧嘩になることは皆無です、オーディオ道楽を行っている人は心の広い人が多いのかもしれません。
こういった道楽を通した人間関係は、ビジネスの人間関係とは次元が異なるももので利害や損得勘定などが入り込みません。
むしろ譲り合いや与え合う理想の人間関係なのです、こういったところからもビジネスでの人間関係の在り方を多いに学ぶのです。
職業もバラバラでビジネスに発展するケースもありました、オーディオメーカーの技術者とも仲良くなり手持ちのアンプのメンテナンスを安価でお願いできたりしたので道楽にも弾みが付きます。
オーディオ道楽復活で、こういった忘れかけていた古き善き思い出も蘇ってきました、古き良き時代を今に望むのは酷というものでしょうか。