2024年9月 6日 07:00
オーディオブランドとして今ではあまり語られることはないブランドにテクニクスがあります、70年代後半から80年代のテクニクスは本当に世界に圧倒的な強さを見せつけるオーディオ製品を数多く輩出していました。
70年代後半の未来感覚の薄型シリーズは世界中のファンを虜にしました、そしてデザインもユニークでニューヨークにある世界芸術博物館にもレコードプレーヤーとスピーカーが日本のオーディオ製品で唯一展示されるほどです。
特にロボットというべきオートマチックのレコードプレーヤーにハイエンドアンプと、何故こんなにも薄くできるのかというくらいに薄くても頑丈な作りです。
加えて音質も最上級、まるで別世界の製品のようにも思えたことを思い出します。
今、改めて当時のテクニクスのアンプの音質を確認するとCDとの音質の相性が抜群です、特に空冷のためのスリットの一つも無い小型軽量のアルミダイキャスト製ケースに収められたセパレートアンプSE-C01とSU-C01などは45年経った今でも斬新な工業デザイン性と音質の良さに脱帽ものです。
当時のレコードでは今のCDのようなワイドレンジな音情報は無く、そのアンプの持つ本当の凄さを伝えきれていなかった可能性があります、そして重厚な音質のサンスイなどが支持されたのかもしれません。
テクニクスは1989年からはパナソニックに移行します、アンプはリーズナブルな価格で重量も軽量ですが音質は驚くほど低音域が骨太で中高音域がシャープです。
更には世界で初めてのアナログパワーICを独自開発して投入し、安価でありながらも全周波数帯域で安定した高音質を実現しました。
改めて70年代から80年代初期の頃のテクニクスのアンプを聴いていると、「こんな良い音だったっけ?」と思わず呟いてしまいます。
もしも現在こういった音質のアンプが売り出されれば飛ぶように売れると思います、まさに愉音そのものなのです。
そして音色が極めて元気で明るいのでスピーカーを選びません、ある程度のグレードのスピーカーならどんなジャンルでも愉音を発してくれます。
この発見は大きかったです、CDでジャズを愉しむなら絶対サンスイよりもテクニクスです。
こういう音色を奏でるアンプ、最新のアンプで探すのはきっと大変な時間と労力を要すると思います。
往年のテクニクスの音を再現させるアンプ、個人的にではありますが強く熱望します。