2024年8月26日 07:00
オーディオって本当に切りが無い道楽だとつくづく思うことがあります、充分に納得して聴き入っていたはずのシステムが何かの拍子にスピーカーの発する音に違和感を覚えるとスピーカーを変えたくなってしまうのです。
「何かが違う」、この違和感と強いストレスが襲いかかるのです、この瞬間の違和感が走る音とは普段と大した違いはないものだと思いますが気になりだすと無性に気になるのです。
特に正面で聞いているときではなく距離を置いた時に聞こえる響きで「あれ?」ってなってしまうことが多い気がします、そして居ても立ってもいられなくなり突然聴き慣れたスピーカーに変えてしまうのです。
しばらくこの状態で聴いているのですが、今度はそのスピーカーの良さを存分に引き出すアンプが欲しくなってくるのです。
こうなってくると何をしていても頭の中はアンプの事ばかりになって、どれが最適なのかを選びまくるようになります。
時間があれば売り場に実物を見に行き、頼み込んでは試聴を繰り返し、なんとなく理想のアンプが決まり購入、そこで今度は手持ちのアンプとの比較試聴を繰り返すのです。
結局、手間とお金を費やして新しく買ったアンプよりもしばらく眠っていた手持ちアンプの方が相性が良く違和感のない音に気付き、新規購入のアンプが今度は精神安定材としての出番待ちアンプに回されてしまうのです。
こんな感じで私の場合は同じシステム構成が1年と維持されることはありません、この結果出番待ちのアンプとスピーカーが部屋を埋め尽くすようになります。
バブル経済期の80年台後半のときには7畳の洋室全てが保管庫として使っていて、重量で床が2Cm位沈み何時床が抜けるかもしれないという不安が付きまとったのを記憶しています。
リビングにオーディオとホームシアターのメインシステム、書斎と寝室などにサブシステムを複数組んでいたので、本当に何台もアンプが有っても何セットもスピーカーが有っても常に不足感が湧きあがっていました。
更にバブル経済期の頃は防水スピーカーを使って風呂場やトイレでも音楽が聴けるようにしていました、またホームシアターでは半端無い数のスピーカーを使うので、サラウンド用として物凄い数の小型スピーカーの予備が必要になります。
これをリビングに7.1Chと寝室に5.1Chと別に組んでいたのですから、保管部屋だけでなく家の中はスピーカーだらけになっていました。
この光景は私がよく口にする「オーディオは冷蔵庫のビールと同じ」ということに繋がります、冷蔵庫内に充分な量のビールが無いと精神的に不安になるのです。
11年前にオーディオ道楽を完全封印したのは、こういった果てしない30年間に渡る終わり無き戦いに疲れてしまったのも一因かもしれません。
常に頭の中がオーディオで埋め尽くされていては、とても再起動させた企業経営に頭も時間も回せませんから。
私にとってのオーディオ&ホームシアター道楽、本当に気持も生活も充分に余裕がないとできないものなのだと改めて思う今日この頃です。
逆にオーディオに没頭できる状況は極めて順調な状況とも言えます、こういった余裕感が更にビジネスが上手く回る流れを生みだすこともあるのです、つまりプラススパイラルを意図的に作り出しているのです。
いずれにしても、生活の糧にはならないことに時間もお金も使える状況は悪いことではないと思うのです。