2024年6月29日 07:00
オーディオ道楽復活で、家電量販店の映像・オーディオ売り場に久しぶりに足を運んだ際に見慣れない商品が陳列されていました。
それがサウンドバーという商品でした、10年前にはこれほどまでに注目されてなかったカテゴリです。
サウンドバーとは、テレビの前に置いてテレビの音質改善を行う2Chものや疑似サラウンドによって手軽にホームシアターを愉しめるマルチチャンネルものなどがあり、高さ10Cm・幅100Cmほどの細長いアンプ内蔵のアクティブスピーカーの一種です。
現在発売されているサウンドバーの多くは、サラウンドプロセッサを内蔵しており独自の疑似サラウンド方式を搭載しています。
構成的には2.1CHシステムを一体化させたもので、その効果はどれほどのものか非常に興味が湧きました。
2.1CHとは、左右のフロントスピーカーにサブウーハーを加えた構成のことです。
そこで、どれほどの実力なのかを確認する為に標準的な仕様のパナソニックSC-HTB175(2016年発売、オープンプライス)を購入し、音質評価を行いました。
価格はオープン価格なのですが、店頭価格やネット価格は3万円前後であり、発売時期等から勘案してメーカー希望小売価格は4~5万円程度だと推測できます。
パナソニック SC-HTB175
画面がバックライトとなり真っ黒になってしまった
フロントのインジケーター回りをクローズアップ
斜め上から見たところ
この薄さにサブウーハー用のユニットを前後2つ背中合わせで配置している
テレビやプレーヤーとはHDMIか光デジタルで接続します、またブルートゥースでモバイルオーディオ製品と無線接続が可能です。
私の場合、シャープ製液晶テレビのHDMIは音声出力に対応しておらず、音声出力は光デジタルだけなのでオーディオ用光デジタルケーブルで接続しました。
接続は至って簡単で、あらゆるインターフェースに対応したAVアンプのように入出力インターフェースにどれをどのように使おうかと悩む心配はありません。
操作は全てリモコンで行います、いざという時のマニュアルボタンは入力切り替えとボリュームだけ本体に付いています。
リモコンでは上記の他に音場切り替え(シアター、シネマ、スタジオなどの疑似サラウンドモードに切り替えられる)や音声シャープネス調整とサブウーハーの音量調整が行えます。
さて肝心の音質ですが、正直期待したほどの効果を感じることはできないという残念な結果です、価格を勘案すれば高い買い物だったかもしれません。
まあ、私の場合本格的なホームシアターの音に慣れてしまっているというのもあるのですが、シャープアクオスの音質が結構良いというのもあります。
実際、アクオスには音質調整が細かく設定できて意外と音が良いのです。
まあ、それも確認したうえでアクオスを購入したのですが、若干周波数レンジが広がったくらいの差しかありませんでした。
むしろニュースなどでは、サウンドバーを通さない方が聴きやすいとさえ思ってしまいました。
音場が広がって効果が出るのはステレオでのコマーシャルと映画番組です、まあ当然といえば当然です。
手軽に使えるサウンドバーですが、音質はあまり期待できないという結論に至ってしまいました。
32インチ以下のテレビであれば、低音域が持ち上がるのでかなり音質向上は期待できると思います。
大型の液晶テレビは、容積が稼げるので音質も低音域まで伸ばせるように考慮した設計ができるので音質が良いのです。
大型液晶テレビを使っているなら、サウンドバーではなく光デジタル対応の小型プリメインアンプに小型ブックシェルフと小型サブウーハーを接続した方が圧倒する音質に驚くと思います。
もっとも投資価格も3倍程度にはなってしまいますが、期待外れでがっかりする音を聴き続けるよりも精神安定上ストレスが無く良いと思うのです。
※ピュアオーディオ&ピュアホームシアター製品の評価記事はこちらのブログを参照下さい。