2024年5月17日 07:00
大学生から社会人になりたての頃まで、休みの日と言えばオーディオジャンクを秋葉原で購入しては深夜までいろいろ実験しては遊んだものです。
スピーカーのジャンクでは、コーン(振動版)の質を変えたり重さを変えたりして、その音質の変化を大いに学びました。
コーンに消しゴムを少しずつ張り付けていき、どの程度の重さでどのような音質になるのかという実験は特に興味深い結果が出ました。
重くすると低音域が伸びてくるのですが、反比例してレスポンスが悪く切れ味が低下してきます。
また、コーンをエポキシ樹脂で固めてプラスチックのように固くすると高域が張り出してくるのですが、低音域がまったく出なくなります。
スピーカーメーカーは、こういった理論が確立されていて理想とする重さや硬さを材質を変えたりして目的の音を追求しているのです。
また、重い場合は低音が出るのですがレスポンスが悪くなる、これを解消するためにマグネットを強力にする必要があります、スピーカーユニットはこんな素材と物理の複雑な理論によって作られているのです。
また、アンプのジャンクでは最初は自身で修理してみることから入ります、壊れた部品や問題個所を見つけては他のジャンクから同様の部品を取ってきて取り替えます、そんなことを繰り返して音が正常に出たときには本当に嬉しいものです。
更には、入力コネクタにラジオを繋いだり、スピーカー端子にランプを繋いで光らせるなどあらゆるアイデアが出てきてとにかくいろいろやってみたのです。
そのうちにどんどん回路や部品に詳しくなってきて、正常動作するアンプの音質改良なんてこともできるようになります。
最も音質が変わるのがNFBと呼ばれるネガティブフィードバック回路の変更です、また電源周りのコンデンサの容量を増やすと低音域が伸びて締まってきます。
雑誌や改良技術書と睨めっこしての各種の実験、自身でやってみると本当によく解ります、これが生きた学びというものです。
孔子論語に云う「一つ学んだら、一つやってみる」ということでしょう。
経験はどんな知識よりも価値が高いのです、本を読んだだけで自転車に乗れないのと同じです。
道楽もビジネスも、そして人生の全てに生きた経験が重要です。