2024年4月 1日 07:00
最近のテレビコマーシャルやバラエティ番組のバックミュージックの多くに、私が大学時代や社会人になりたての頃に流行したモダンジャズがよく使われています。
こういったバックミュージックを聴くたびに当時を思い出すのですが、何故今こんなにも昭和な音楽が復活しているのでしょうか?
これはあくまでも推測ですが、近年の製作プロダクションの最高責任者の多くが私と同年代の人達です。
つまり当時のジャズは若者が未来しか見ていなかった高度成長期の時代の象徴であり、自分もよく聴いていた懐かしの音楽を選んでいるのだと思うのです。
そして当時のジャズやロックの多くが既に著作権がありません、つまり無料で自由に使えるのも後押ししているのでしょう。
その意味ではオーディオアンプのデザインも懐かしいデザインが復活しています、ヤマハは特にこれが顕著でここ数年のプリメインアンプのデザインは70年代の同社プリメインアンプのデザインそのもので70年代の同社プリメインアンプが最近の斬新なデザインのアンプのように思えてしまうのです。
こういった文化や学術の時代を越えた復活を「先祖返り」と呼ぶのですがファッションにも通じるようです、時々私が大学時代に流行ったファッションを身につけている若い人を見ると50年間の時代錯誤を起こしてしまうことがあります。
テレビなどでも取り上げられていたのですが、若い頃の両親や祖父母が着ていたファッションを写真などで見てかっこいいと感じてしまうようです。
時代は繰り返すと言いますが、まさかオーディオ文化が50年前に戻るとは流石に考えたことも無かったです。
そう言えばレコードやカセットテープ、更にはオープンテープやビデオテープなどのアナログ媒体も復活しています。
国民総貧困時代、でも皆が未来を見て強く逞しく生きていた元気で健全なる古き良き昭和の時代、そういう国民総前向き時代の文化の復活は大いに歓迎すべき社会現象なのかもしれません。
そしてオーディオ道楽復活で改めて驚いたのが、70年代~80年代のアンプの中古価格の高騰です。
名機と謳われた多くは当時の発売価格を上回り、当時誰も見向きもしなかったアンプまでも高値で取引されているのです。
ビンテージアンプコレクターの私としてはコレクションを売る気は一切無いので高騰しようが暴落しようが関係はありませんが、コレクションの価値が上がることに対して決して嫌な気持ちにはなりません。
古き良き時代の日本のオーディオ技術の崇高さ、現代の若い人が実際に手にして感動することは実に歓迎すべきことだと思います、こういった生きた善き経験を通した人が次代の日本のオーディオ技術を支えていくのです。
「感動」はどんな経験にも勝る明るい未来を切り開く原動力となります、何歳になっても日々感動して過ごしたいものです。
感動を通して右脳は活性化し肉体も精神も若返ります、感動することを忘れた人間の脳は老化し衰退していくだけです。