2023年10月23日 07:00
ひと昔前まではFM放送はレコードと合わせて重要な音楽ソースの一つでした、コンポを買うときには必ずといってよいほどアンプと共にFMチューナーを買ったものです。
それも、FMとAM放送を受信するためだけの製品であるにも関わらず結構な価格がしました。
ラックスマンやアキュフェーズなどは、70年代でも10万円以上した高級機種も珍しくありませんでした。
しかし、今の時代は面倒な手順を踏まずに手軽にネットからダウンロードして音楽を楽しむ時代になりました。
そういった理由からか、今ではFMチューナーをオーディオシステムに組み込まれることも少なくなりコンポーネントとして単体製品も少なくなりました。
そんな時代ですが、この頃はワイドFMが誕生しFM放送が見直され始めてきているようです。
ただし昔のようにFMチューナーではなくて、エントリークラスのアンプやホームシアター用のAVアンプにおまけの機能のような感じで付いているのです。
イマイマの時代は、デジタル化してFMチューナーも安価なLSI一つで高性能な機能のFMチューナーが簡単に組み込めるのでしょう。
最も安価なワイドFM付きのエントリークラスのアンプを探していたら、ソニーから2万円程度でワイドFM付きのフルサイズコンポのアンプが出ておりびっくりしています。
ソニーダイレクトで税抜き1万9800円、家電量販店では税込みで1万7000円ほどです、スペックを見てもひと昔前のミドルクラスのアンプと同程度なのです。
昨年、エントリークラスのアンプの性能を確認するために4~5万円のアンプを3台購入したばかり、サブシステムに手軽に使えると考えてもそんなにエントリークラスのアンプのニーズが無いのでどうしたものかと。
どうしても気になってしまうこのソニーのアンプ、販売終了の前に買ってみようかと考えて実物を見に家電量販店に行きました。
音は聞けませんでしたがツマミ類やスイッチの感触は最悪です、重要なボリュームツマミもセレクタもプラスチックで回したときの感触はまるでおもちゃです。
液晶表示もこれなら不要ではないかと思うくらいの程度の入力セレクタだけの表示です、また全体的な作りも叩くとボンボンと鳴る薄っぺらいアルミの前面パネルなどトータルでは価格をそのまま表しており、とてもハイコストパフォーマンスとは言い難い代物でした。
音質や製品自体の作りなどトータルでのハイコストパフォーマンス機って、こうして探してみるとなかなか無いものです。
どんなにエントリークラスと言えども、アンプは最低でも4万円出さないとオーディオ製品と呼べる代物ではないようです、そんな製品も安かろう悪かろうでは話になりません。