2021年11月16日 07:00
中学時代にラジオの深夜番組やLPレコードでアメリカンポップスとフレンチポップスを聞いていた私ですが、高校生になると今度は当時流行していたロックを聴くようになりました。
ディープ・パープルやピンク・フロイドなど、ハード&コンテンポラリーロックが熱かった時代です。
こうなると自分のオーディオが無性に欲しくなります、そこで親父に頼み込んで譲ってもらったのが当時セパレートステレオと呼ばれていたアンプとレコードプレーヤーとFMチューナーが一体になっていて、左右のスピーカーを離して設置できる家具調のセパレートステレオでした。
メーカーはトリオで現在のケンウッドです、パイオニアやサンスイと共にオーディオ御三家と呼ばれていた時代です。
譲りものの中古とはいえ初めてのマイオーディオです、毎日のように聴きまくりました。
昼は爆音立ててバイクを飛ばし、夜は友人とロック&マージャン三味の不良極まる私も運が良いのか悪いのか大学に合格してしまうのです。
信州の山奥から東京に出てきて大学時代の一人暮らしが始まるわけですが、ここで大きなショックを受けるのです。
それは、ロックファン仲間の友人の部屋に遊びに行った時です、そこに鎮座していたのは当時出始めたばかりの憧れのコンポーネント型のステレオだったのです。
コンポーネント型というのは、アンプ・レコードプレーヤー・FMチューナー・スピーカーが単独で分かれており、好きなブランドの製品を予算やグレードに応じて組み合わせられる本格的なオーディオをいいます。
現在のオーディオコンポーネントの原型がこの時代に誕生し、以後そのスタイルは継続されています。
しかも、大学生では手が出せないほどのオンキョー製のアンプ(当時出始めたインテグラシリーズ)にパイオニアのスピーカーと豪華極まるものです。
私が入った大学は頭の良さではなく経済力で入る大学と言われた所謂「おぼっちゃま大学」です、周りはお金持ちの家庭だけなので当然かもしれません。
そのコンポを見た瞬間、自分のオーディオがめちゃくちゃ古臭いものに思えてしまって、同じロックファンとしてオーディオ好きな人間として、初めてオーディオに関してメラメラと闘志に火が点いてしまったのを覚えています。