
ホームシアター道楽の復活で、先ず最初に60インチ4K液晶テレビを買ったのですが10年前と大きく違っていたポイントがあります、それは音声入出力用のRCA端子(コンポジット端子)が付いていないことです。
オーディオと言えば昔からRCAが基本で映像はS-VIDEO(S端子)でした、ところが2005年以降はデジタルインタフェースの普及でコネクタもガラッと変化してきます。
音声は光デジタルやデジタル同軸となり、映像を伴う場合はHDMIが基本になります。
それでも、つい最近までは互換性を保つために最新の機種でもRCA端子とS端子だけは残っていましたが、ほんの数年前からこれらも付かなくなっているのです。
更に、最近ではUSBオーディオが主流となり音声入力端子がUSBしかないデジタルアンプも誕生してきています。
アンプ部がアナログのオーディオ製品は何とかRCAコンポジットが付いていますが、この先どうなるか解りません。
レコードの復活で最新型のレコードプレーヤーも続々と誕生してきているものの、そのうちレコードプレーヤーもデジタルアンプに対応する為にデジタル出力されるようになるのでしょうか?
少なくてもレコードプレーヤーは、やっぱりアナログチックなRCAを残してほしいと思うばかりです、何故なら手軽にビンテージアンプの音質を愉しめなくなってしまうからです。
そんなわけで、私の手元には各種のコネクタに対応する為のアダプターや変換ケーブルが山のように在るのです。

最近のテレビコマーシャルやバラエティ番組のバックミュージックの多くに、私が大学時代や社会人になりたての頃に流行したモダンジャズがよく使われています。
こういったバックミュージックを聴くたびに当時を思い出すのですが、何故今こんなにも昭和な音楽が復活しているのでしょうか?
これはあくまでも推測ですが、近年の製作プロダクションの最高責任者の多くが私と同年代の人達です。
つまり当時のジャズは若者が未来しか見ていなかった高度成長期の時代の象徴であり、自分もよく聴いていた懐かしの音楽を選んでいるのだと思うのです。
そして当時のジャズやロックの多くが既に著作権がありません、つまり無料で自由に使えるのも後押ししているのでしょう。
その意味ではオーディオアンプのデザインも懐かしいデザインが復活しています、ヤマハは特にこれが顕著でここ数年のプリメインアンプのデザインは70年代の同社プリメインアンプのデザインそのもので70年代の同社プリメインアンプが最近の斬新なデザインのアンプのように思えてしまうのです。
こういった文化や学術の時代を越えた復活を「先祖返り」と呼ぶのですがファッションにも通じるようです、時々私が大学時代に流行ったファッションを身につけている若い人を見ると50年間の時代錯誤を起こしてしまうことがあります。
テレビなどでも取り上げられていたのですが、若い頃の両親や祖父母が着ていたファッションを写真などで見てかっこいいと感じてしまうようです。
時代は繰り返すと言いますが、まさかオーディオ文化が50年前に戻るとは流石に考えたことも無かったです。
そう言えばレコードやカセットテープ、更にはオープンテープやビデオテープなどのアナログ媒体も復活しています。
国民総貧困時代、でも皆が未来を見て強く逞しく生きていた元気で健全なる古き良き昭和の時代、そういう国民総前向き時代の文化の復活は大いに歓迎すべき社会現象なのかもしれません。
そしてオーディオ道楽復活で改めて驚いたのが、70年代~80年代のアンプの中古価格の高騰です。
名機と謳われた多くは当時の発売価格を上回り、当時誰も見向きもしなかったアンプまでも高値で取引されているのです。
ビンテージアンプコレクターの私としてはコレクションを売る気は一切無いので高騰しようが暴落しようが関係はありませんが、コレクションの価値が上がることに対して決して嫌な気持ちにはなりません。
古き良き時代の日本のオーディオ技術の崇高さ、現代の若い人が実際に手にして感動することは実に歓迎すべきことだと思います、こういった生きた善き経験を通した人が次代の日本のオーディオ技術を支えていくのです。
「感動」はどんな経験にも勝る明るい未来を切り開く原動力となります、何歳になっても日々感動して過ごしたいものです。
感動を通して右脳は活性化し肉体も精神も若返ります、感動することを忘れた人間の脳は老化し衰退していくだけです。

ヤマハから「サウンドシャワー」という名の商品が過去に発売されたことがあります、この言葉を最初に聞いたとき「音楽をシャワーを浴びるように全身で感じるオーディオか?」と思ったのですが全然違っていて浴室で使用可能な防水オーディオだったというオチでした。
この言葉が頭から離れずに何時かはシャワーを浴びるように音楽を全身で感じるオーディオ装置ができないかなんて考えているのです、間接照明が刺激がなくリラックスできるように間接音響もきっと心地良いと考えるのは極自然の思考です。
BOSEは「空間和音」という技術を創出し、空間で合成される音を最終的な音色としてスピーカー作りをしているオーディオメーカーです。
何かBOSEの空間和音での音作りにヒントが在るように思えるのです、例えば暴風雨の際の重低音域の音圧(風圧)は半端ではありません、身体が飛ばされるほどなのですから。
こんなにも物凄い音圧(風圧)でありながら耳には大きな音として感じません、これが音の空間合成作用により耳に聞こえる周波数が複雑な位相の合成によりキャンセルされて、合成されない重低音域だけが残るので身体が飛ばされる程の音圧(風圧)でもうるさく感じないのです。
こんなところに何かヒントが隠されているように思います、「サウンドシャワー」という発想を考えているだけでワクワクします。
中高音域はしっかり聴き取れているにも関わらず、ベースやバスドラの音で身体が揺れ髪の毛が飛ばされる、何か面白くないですか?
ということで現在間接音響の各種実験を日々行っているのです、面白かったのがスピーカーを壁に向けて間接音で聴いてみたときのことです、これが絶妙で体験したことの無い音場を作りだしました。
12帖ほどの部屋なのですがまるで大きなホールで聴いているかのような音響効果が出たのです、そして離れても横に移動しても音場がほとんど固定化しているのです、これはもしかして面白い装置が作れるかもしれません。

私は子供のころに発病した角膜アレルギーによって、弱視と乱視が混ざった常に遠くも近くも像がくっきりしないという生活を余儀なくされてきました。
子供の頃から角膜に常にアレルギー症状が残り、眼鏡やコンタクトレンズもつけられないことからずっと裸眼で過ごしてきたのです。
昨年の秋ごろからは何とか見えていたパソコン画面もぼやけるようになり、近眼と乱視に老眼も加わりパソコン操作する際には老眼鏡をかけるようになりました。
近眼は老眼になりづらいという話が時々聞かれますが老眼は遠視ではないので関係ありません、老眼は老化現象により遠近の調整ができないために近くの像がぼやける状態なのです、対して遠視は水晶体の慢性的な変形で常に近くの像がぼやける症状です。
さてオーディオと眼鏡の関係なのですが、この1年で老眼鏡を6個も買ったという話です、様々な度数とフレームの形状など種類は全部違います。
これなのです、オーディオでも同じようなアンプを買ってコレクションするのと極めて近いなと思うのです。
機能や音色が異なるとその機能や音色を自身で納得するまで確認したくなってしまうのです、眼鏡も同じようにしっくりくるものに当たるまで買い続けてしまいました。
果ては眼鏡の歴史やレンズの科学まで探ってしまうのです、そして新しい情報を得てはそういった仕様の眼鏡を試してみたくなる、そんなことの繰り返しです。
対象が何であれ興味を持つと同じように納得するまでやり通してしまう、そんな性格からオーディオもきっと今のような状況になっているのだなという話でした。

オーディオマニアは長寿、そんな思いが走ってしまうのが各所で行われている試聴会の会場風景です。
約80%の人が70歳を越えています、そして皆さん医者に弁護士に会社役員とビジネスも現役です。
本当に皆さん元気で驚かされます、私などはここに入れば若もの扱いです。
何かに没頭すると右脳が鍛えられると言われていますが、常に音質向上させるためのアイデアを考えているのでしょう、とにかくみなさん思考が柔軟で試聴会でも各種のユニークなアイデアが出てくるので非常に有益な時間です。
市販品では物足りないとDIYを楽しむ方も多く、こういったコンテストも年に数回開催されています、ここでも参加者のほとんどが高齢者です。
またアイデアを形にしてくれるオーディオビジネスも在るのです、DIYが得意じゃない人でも世界で一つの自分だけのオーディオ製品を持てる時代なのです。
ただ価格は半端無く高価です、同じ音質レベルなら市販品の倍は当たり前で中には10倍以上するものもあります。
こういった一品ものを扱う専門のオーディオショップも存在します、またこのようなショップの代表も高齢者が多いのです。
更には往年のマニアが代表を務めるアンプの改造専門のメーカーも多数在ります、「**カスタマイズ仕様」とか「**チューニング」と称した製品は中古でも大人気です。
ニーズが在れば必ずビジネスチャンスがそこに在るのです、本当にオーディオ道楽とは深いし多くのビジネスのネタが落ちているのです、きっと往年のオーディオマニアはこんなところにも知恵を巡らせるのでボケずに何時までも元気でいられるのでしょう。