多くの企業にとって決算は一大イベントです、最大の社会貢献である納税とそれに伴う決算申告は避けては通れない事項の一つです。
納税意義の他にも会社の状態を正確に判断したり、それに伴い予めの資金調達を検討したりと決算とは重要不可欠な経営事項でもあります。
ここで一つ明言させていただければ決算書とはあくまでも過去の状況でしかないということです、ベンチャー企業、更にはスタートアップ企業に重要なのは「今」をどう判断し会社の未来をどう考え構築していくかが重要であり、経営判断において決算状況は重要ですがそれに囚われることでもありません。
未来の経営判断や経営方針のベースとなる現在の状況が明確に解る決算書は無視できない根拠でもあります、それに囚われてしまうのは致し方ないことなのかもしれません。
ただ過去がどうであろうが経営とは明日何が起こるかは誰にも分からない代物なのです、決算が良かったから安心することなく、また悪かったからといって落胆することもなく、決算内容を真摯に受け止めて冷静に明日を考えるのが成功する経営者なのです。
兵法三十六計に「抛磚引玉」(ほうせんいんぎょく)という計があります、意味は「自分に不要なものを放出し価値のある物を得る」というもので、これをビジネスとして考えるとリサイクルショップがまさにこれに当たります。
自分には不要な物でも、他者にとっては必要な物であるなら充分な価値をそれに見出すことができます、このビジネスは質屋として江戸時代からありました。
質屋とは宝飾品や美術品、また昔では着物や帯などの換金性のあるものを担保に預けてお金を借りるというビジネススキームで、お金が返って来ない場合はそのまま担保として入れた物は売られてしまいます、これを「質流れ」と言います。
質屋ではこうした質流れ品を展示しては妥当な価格を付けて売り、貸したお金に利子を付けた対価で回収するのです。
これが近年においてはお金を借りるというステップを短縮し不要な物は売るという単純化されてきました、これで上場した企業も存在し、パソコン・オーディオ・家電・家具・酒類・ブランド品・衣類・書籍・CDやDVD・ゲームソフトなどはよく知られています。
不要な物はただ同然に買い取れ時節によってはそれを高く売ることができるのです、世の流れを読みビジネスにいち早く採りいれた者が次代の勝者になるのです。
経営コンサルティングを行っていた頃、多くのディプロマビジネスを行っているクライアントさんが存在していました。
過去ディプロマビジネスでのコンサルティングでは、何れも収益構造がガラリと変わり売り上げが倍増しています。
そして何よりも効果が大きいのが、オリジナルメソッド考案者とそのディプロマ保有者との間で経済循環を起こすことに在ります。
これは相互に大きな資産を形成していきます、そしてこの相乗効果でどんどん会員も増えていきます。
ディプロマビジネスとは日本語で解りやすく言うと「元締め制度」とも訳せるものです、オリジナルメソッドをそのメソッドでビジネスしたい人に学んでもらったうえで、そのメソッドを活用してビジネスを行ってもよいというお墨付きを与えるわけです。
つまり国家ではなく民間が発行する資格や認定を指しています、このディプロマビジネスで失敗する大きな要因の一つはキャッシュポイントにあります、ここを見誤っているので多くのディプロマビジネスは上手くいかずに自然崩壊していくのです。
最も危険な行為は教えることそのもので利益を上げようとすることです、私もオリジナルのメソッドでのディプロマビジネスは複数ありますがセミナーはほぼ無料に近い2時間で2~3000円という金額に設定にしています。
成功する思考ポイントは誰の為の何のためのディプロマ発行なのかということに尽きます、私の持論の一つに「他者の利益に自身の利益を染み込ませろ!」というのがあります、つまりディプロマビジネスの成功の秘訣はこれを徹底して実践する必要があるのです。
まずは、オリジナルメソッド考案者ではなくディプロマ保持者が利益を上げることが優先課題なのです、これによってどんどん広がっていきます、当然集客は一切行う必要もありません。
「与えれば寄り欲しがれば離れる」、人の心理とはこんなものなのです、自身の為と考えるのであればまずは他者に与えつくすのです。
そしてどんどん儲けてもらうことです、何故ならそのディプロマによって儲からないのであればそのディプロマが何の価値も無いことを証明してしまうからです、これでは本末転倒もいいところです。
もし講座を収益源として行うのであればディプロマは発行すべきではなく、収益構造そのものから他者に自身のメソッドを使わせるようなスキームを排除した方が解りやすくて誤解も少なくなるでしょう。
どんなビジネスも中途半端なスキームは最も信頼と人を失います、ディプロマビジネスを行うときにはどこにキャッシュポイントを設定するか自身の理想と人間性の器の大きさでその人に合った方法を徹底すべきです。
1970年代に誕生したアメリカンドリームを裏で支えた投資家をエンジェルと呼びました、当時のアメリカは現在のパソコンの中核チップであるマイコン(マイクロコンピューター)が誕生し、その将来性に夢を膨らませる若者が自然発祥的に多数生まれました。
彼らは天才的な頭脳を持ちますがそのアイデアを具体化させる資金が有りません、それを嗅ぎつけた個人投資家らが彼らのスポンサーとなり大金を投資しました、それがアップルやマイクロソフトに象徴されるような巨大IT企業に成長したのです。
今ではその矛先がAI・IoT・ブロックチェーン等に向けられてはいるものの当時と同様の現象が起きています、エンジェルとは解りやすく言えば「足長おじさん」的な存在で成長するまで暖かく支援し余計な口出しもせず見守るだけの存在です。
さて日本でもこのような例で成功したのがソフトバンクなどのIT企業です、大手情報家電企業がエンジェルとなり育て上げたのです。
しかしアメリカに比べてエンジェルの存在は希薄で投資額はトータルでは1%にも満たず、多くは上場ゲインを狙ったキャピタリストでありエンジェルとは呼べません。
若い頃から海外で仕事を通して解ることは世界中のどの国でも天才的なIT人材は多数存在しているということです、でも彼らが天才として成功しないのは資金が無いだけなのです、資金さえあればもっと早くSFの世界が現世に存在できていたでしょう。
物言わぬスポンサー、足長おじさんであるエンジェル、この必要性は26歳でフリーSEとしてスピンアウトし28歳でIT起業した私には嫌というほど解ります。
たまたま私は運良く複数の法人キャピタルから億単位の資金を得て特許取得から専用チップを開発し数百億規模の事業を創出することができました、でもこのキャピタルからの支援は死に物狂いで行動した結果であり言葉で説明するほど簡単なことではなかったです。
日本で否、IT成長著しいアジア諸国でエンジェルのニーズは年々大きくなってきています、ベンチャー企業が成功しないのは技術力不足でも経営者の能力不足でもなんでもありません、資金が無いだけだと言っても過言ではありません。
ベンチャー企業を興し成功したいのであれば確実に資金問題を解消しなくてはいけません、そしてどんな事業を興すにも「資金不足は致命傷である」と認識することが経営者の一番優先すべき心得ということです。
商品を作り市場に投入する方法としては大きく2つの手法が存在しています、一つは「プロダクツアウト」と呼ばれる方法でメーカーは何らかの方法で製品を作り出しますが、この時の思考として世に受け売れる物かどうかは一切考えていません、つまり企画や技術力を誇る為の商品であって販売戦略に近い思考なのです。
これが意外に市場に受け、その商品をきっかけとして一つの商品文化を築き上げてしまうということも珍しいことではありません、プリクラやオンラインゲームはその代表格といえます。
対して「マーケットイン」と呼ばれる方法は市場のニーズやウォンツを徹底的に調査してタイミングを見て市場に商品を投入します、この時の思考としては確実に世に受け大ヒット商品となる事を狙ってのことであり、技術力に頼らず売れることを前提としている思考です。
ところが、ここまで徹底しても全く売れずに大量の在庫を抱えてしまうなんてことも珍しくありません、忘れ去られるアイデア商品などはまさにその代表格といえます。
資金や人材に恵まれた企業でさえも、どんな手法を執ろうが当初の思惑が外れるのがビジネスの妙味でもあります。
これは商品に限ったことではなく見えないサービスに関しても同じことであり商品開発以上に売るという行為は簡単なことではありません、それが個人事業主的な企業が「安売りは絶対しない」などとプライドを持って豪語したところでどんな意味があるのでしょうか?
少なくても買うか買わないかは顧客側の勝手であって売る側の価値観などは正直どうでもよいことなのです、そう豪語する人に限って裏では価格を下げてまで買ってもらえるようにお願いしている事実があります、これほど虚しい事実はありません。
ズバリ言えばお願い事は営業でもクロージングでもありません、それは単に「売れなくて困っているから買って下さい」という媚びた行為に過ぎないのです。
ビジネス成功者は自身の為のプライドなどは一切持ちません、その価値観も価格も全てが買う側が決める事を理解しているからです。
半額だろうが損失が出ようが、顧客の納得する価格で使って喜んでもらうのが真の顧客第一主義と言うものです。