商品を作り市場に投入する方法としては大きく2つの手法が存在しています、一つは「プロダクツアウト」と呼ばれる方法でメーカーは何らかの方法で製品を作り出しますが、この時の思考として世に受け売れる物かどうかは一切考えていません、つまり企画や技術力を誇る為の商品であって販売戦略に近い思考なのです。
これが意外に市場に受け、その商品をきっかけとして一つの商品文化を築き上げてしまうということも珍しいことではありません、プリクラやオンラインゲームはその代表格といえます。
対して「マーケットイン」と呼ばれる方法は市場のニーズやウォンツを徹底的に調査してタイミングを見て市場に商品を投入します、この時の思考としては確実に世に受け大ヒット商品となる事を狙ってのことであり、技術力に頼らず売れることを前提としている思考です。
ところが、ここまで徹底しても全く売れずに大量の在庫を抱えてしまうなんてことも珍しくありません、忘れ去られるアイデア商品などはまさにその代表格といえます。
資金や人材に恵まれた企業でさえも、どんな手法を執ろうが当初の思惑が外れるのがビジネスの妙味でもあります。
これは商品に限ったことではなく見えないサービスに関しても同じことであり商品開発以上に売るという行為は簡単なことではありません、それが個人事業主的な企業が「安売りは絶対しない」などとプライドを持って豪語したところでどんな意味があるのでしょうか?
少なくても買うか買わないかは顧客側の勝手であって売る側の価値観などは正直どうでもよいことなのです、そう豪語する人に限って裏では価格を下げてまで買ってもらえるようにお願いしている事実があります、これほど虚しい事実はありません。
ズバリ言えばお願い事は営業でもクロージングでもありません、それは単に「売れなくて困っているから買って下さい」という媚びた行為に過ぎないのです。
ビジネス成功者は自身の為のプライドなどは一切持ちません、その価値観も価格も全てが買う側が決める事を理解しているからです。
半額だろうが損失が出ようが、顧客の納得する価格で使って喜んでもらうのが真の顧客第一主義と言うものです。
 
 
契約や販売において「最後の詰め」を「クロージング」と呼んでいます、ビジネスに限らずプライベートでも何かの事を成す時に最も重要なのがこの「クロージング」です。
例えば商談では長い期間と多くのミーティングを重ね何でも話ができるまでに信頼関係を築いて99%まで上手く運んでいたとしても、最後の最後の詰めである経営トップによる契約締結に至るには1%の要素で全てが決まってしまいます。
私は多くの事例を見てきていますが、この最後の1%の行動で全てが泡となる人とそれまでは難局を繰り返していても最後に一発で決められる人がいます、この違いは何でしょう。
その良い例としてあげるなら、「野球は9回裏の2アウトから」、「マラソンは最後のトラック勝負」などという言葉です。
最後に決められない人は99%の時点で既に「契約決定」と思い込んでしまって浮足立ってしまっているのではないかと思います、対して最後に一発で決める人はそれまでの経過は準備運動くらいにしか思ってなく勝負所を解っているのです、そして最後の1%に全力を出し切るのです。
本当に不思議なことですが、世の中には契約直前まではノーミスで綺麗にまとめあげていくのですがその後のクロージングで決めることができない人がいるのです。
プロとはあくまでも結果なのです、過程がどれほど完璧であろうがトラブル続きであろうが関係ないのです、決めるときに決めて結果を残すことが最もプロとして重要なことなのです。
クロージングができない人の多くは「形に拘る人」が多いのも不思議です、そして世間で言う真面目な人が多いのです、真面目がダメと言うことではありません、真面目に過程を作っても最後にクロージングできなければプロとしては評価に値しないということです。
逆に見かけは実にいい加減に見える人が周囲の心配を他所にいとも簡単に冗談交じりにもクロージングしてしまうことがあります、おそらくその人なりの勘や表面では解らない何か底しれないバックボーンが有るのだろうと思います、結果を示されればそれが何であろうが根拠でであり素直に評価すべきなのです。
 
 
「思考視野」という言葉を初めて用いたのですが、何を言わんとしているのかと言うと物事を思考する際にどの範囲まで思考を巡らせるかということを示しています、最も解りやすいのが自分の事しか考えていない人、つまり自身の行動を他者がどう考え自身に影響してくるかを一切検討せずに物事を決めてしまう人、これは何をやっても上手くはいかない人で説明の必要もないでしょう。
このような人が起業して自身のビジネスを始めたら結果は考えるまでもありません、ビジネスは他者との取引によって生まれるものというビジネス原点すらそこには見出すことはできません、自身の作り上げた商品やサービスを他者に買ってもらうことがそもそものビジネスの根幹です、つまり独りよがりな商品やサービスは自己満足は補えても経済基盤を作ることなど皆無なのです。
起業して自身のビジネスを行うのであれば少なくても自身のビジネスに関連してくる顧客候補(ターゲット)は最低限意識していただきたいと思います、更に上手く回すにはその顧客の周辺が極めて重要であり、ここまで視野を広げないとビジネスの広がりもなく成長も見込めません。
私が最も効率良く確実な集客方法と考えるのは「口コミ」であり長年の経営経験と多くの成功事例を見ても確信する集客方法です、更にこの方法はトラブルが極めて少なく一度回転しだすと自身のビジネスを粛々とこなしていればよく、待っているだけで新規顧客を取りこんでいけるのです。
しかし思考視野が狭いとこの方式を構築することはできません、更にはあっという間に孤立してしまう可能性さえも否定できません、ビジネスで成功するには顧客以外の自身のビジネスへの協力者という思考が肝要であり多くの人は顧客はお金になるが協力者にはお金が出て行くという利害関係だけで考えてしまいがちです。
実はそうではありません、協力者はお金はかかりますがそれ以上のお金をもたらせる存在なのです、そうでなければそもそも論で言っても協力者とは言えません、他者に雇用されている期間があまりにも長いとお金は他者から貰うものであり自身が渡すものではないという固定概念が形成されてしまいます、どうも最近の起業家にはこの傾向が強いように思います。
ビジネスとは極論を言えば「お金を使ってお金を稼ぐこと」であり、お金を使わなくて良いようにと全てを自身で行うのであれば起業などをすべきではありません、自身の労働を簡単にお金に換えられるのは雇用されるしか方法はないのです、そのような人は資金を使って事業を興し雇用を生んで経済を回すなどという大それた思考が必要な事業家を目指すべきではないというのが私の持論です。
 
 
宇宙の始まり、それは過去「ビッグバン」と呼ばれてきました、しかし最近になり各種の素粒子衝突実験と観測によりビッグバンの前にインフレーションというまさに宇宙の始まりの瞬間にある面白い状態が存在していたことが解明されました。
インフレーションとは瞬間的に光の数倍の速度でエネルギーが物質を生み物質がエネルギーを生んで広がっていく現象です、その後生まれた物質の質量によりその空間は今度は逆に瞬間的に縮まり始めます、いわゆる通常の爆発のマイナス爆発である縮発という現象です、そして次の瞬間に今度は光の速度でゆっくりと宇宙が広がっていくのです、これがビッグバンということになります。
奇異なことに組織もまったくこの状況で大きくなっていきます、将来大きくなる組織は設立後の短期間に社員数が一気に増えます、その後1年ほどの間に自立や方針の違いや組織に馴染まない社員が姿を消し規模縮小の期間があります。
この縮小の期間は面白いことに社員数は半分以下になりますが売り上げも利益も増えてくるのです、これもまた宇宙誕生との共通事項でもあります、そしてその時に残った社員は将来においてその組織で活躍できる最適な人材ばかりとなります。
この最適な社員たちがリーダーとなり事業推進し経営を後押しするのです、そして更に能力もマインドも優れている社員がどんどん入ってくるようになります、この善き流れにより強固な組織があっというまにでき上がっていくのです、この間設立から約5年、その後は上手く経営していれば右肩上がりで成長路線へと進むことになります。
何故こんな話をしたかと言うと現在の私の環境は新社設立ラッシュです、この数ヶ月間で5社設立しそれらの法人を管理運営するホールディング法人も創出しました、今この段階で焦って新規事を行うことはありません、全身に染み込んだ組織作りと事業推進ノウハウは目を閉じていてもゴールもビッグバンが起きる時期も明確に見えています。
 
 
昔から成功している人や名を後世に残している人の生き方・思考・行動などを可能な限り情報を集めては分析しています、これが実に面白い共通点があったりしてビジネスにも大いに生かされています。
「温故知新」、つまり先人の知恵を借りて現状そして自身に置き換えてアレンジする、それが意外や短時間に成果を出せたりするので更に成功者の調査研究はやめられなくなっています、さてそんな中で調べるほどに大きな疑問が起きるのが画家の生涯なのです。
現世に名を残している多くの天才画家達、彼らは生きている間は特に大きな成果を上げるわけでもなく勲章をもらうわけでもなく、どちらかというと酷評こそもらっても評価されることもなく生涯をいろいろな人の援助によって生活苦の中であの世に逝ってしまいます。
死後数十年以上も経ち時代が変わり何かをきっかけにその才能や作品が突然のように認められ評価されるようになります、そして作品はオークションで数億円以上もの高値で落札され世界に名前をとどろかせることになります。
でもこのように死後であっても評価され名を残せられた画家はほんの僅かな人たちだけです、パリのモンマルトルに行けばわかります、世界中から画家として成功したい人が狭い道路の両端で絵を描いては安値で売っています、彼らは何を夢見ているのでしょうか?
経営者としての私はそこに大きな疑問を持つのです、生きている間に評価を受ける人は死後に評価され名を残す人よりもさらに少ないのです、経営者として上場を果たすよりもその数百倍も難しく険しい道のりなのです。
「絵を描くことが好きだから」、でも実際問題として生活するという現実をどう考えているのでしょうか、名もなき多くの画家は家族も持たない孤独な人生を歩みます、そして多くの人は生活を他者に頼っています、それでも自身が好きなことだからという理由だけで続けられるものなのでしょうか。
私は事業を開始して推進を考えるときには一つの「使命感」みたいなものを感じることがあります、コーチングの人がよく使う「した方が良い」ではなく「しなくてはならない」という苦痛も感じることさえあります。
ただ結果論で申し訳ないのですが意外と「使命感」を感じた事業って上手くいかないのです、理由はわかりませんが自らが楽しめないというか極めることへの怖さを感じることもあります、経営者として生きている間に成功を収めたいと本気で願うのであれば「使命」を感じるような事業を興すべきではないと思うのです。
また成功したいという強い思いを持つのも余裕がなくなり思ったような展開にはなりません、成功している人の調査研究で一つ言えることは成功者の多くが何も考えずに浸食忘れて没頭できることをひたすらやっているということ、そこには「使命感」も「義務感」もありません。
「使命感」や「義務感」は目標が達成(成功)して結果が出たときに、これまでの年月を振り返って「これが私の使命だったのかな?」と気付くものなのではないでしょうか、そして後世に他者がそれを評価して「努力の結果」として称えるのです。