2024年4月 2日 09:00
食材と調味料を研究しているうちに面白い事を考え付きました、それが「シーズニング」というカテゴリです。
シーズニングとは機能性調味料のことで、解りやすいのがインスタントラーメンの粉状スープの素です。
現在、日本には多くのシーズニング専門企業が存在しています、これらの企業では天然素材にこだわったシーズニングなど世界中に輸出して利益もうなぎ上りになっています。
シーズニングの素である味のベースは鶏ガラ出汁・トンコツ出汁・カツオ出汁などのスープにスパイスや塩・醤油・味噌などの味付けをします、また風味や独特のまろやかなとろみを加えるなど食感を意識した素をブレンドして専用シーズニングを作りだします。
この技術は世界中の料理の味が一瞬にして再現できるとして、今やこのシーズニング無しではフランチャイジングが行えないほどになっています。
ここで重要なのがシーズニングブレンダーでこれは味覚に優れた人間によって行われています、ブレンダーは素になるスープや料理を見事に再現するシーズニングを数百ある素からブレンドして最終形の配合比率を決める人です。
世界に日本のラーメン屋や日本料理店が多数進出しています、ここでもシーズニングが重要です。
ラーメンの命であるスープや煮もののスープ、これをレシピどおりにお湯と合成油を加えるだけで本家の味と同じスープや煮汁が一瞬にしてできあがるのです。
ほんのちょっと前までは液状の濃縮スープを輸出して現地で希釈して使用していました、ここで問題が発生します、一つは液体を輸入できない国があるという点、そして鮮度を保てず重要な風味が変わってしまうという点、完全に密封しないと腐食するという点、更に輸送コストがかかり現地での販売価格が上がってしまうという点です。
これらの問題がシーズニングでは一瞬にしてクリアしてしまうのです、特に輸送コストは10%以下に落ち、賞味期限も数日~数週間が2年以上と飛躍します。
また化学調味料は使わないので安心して利用することができるものです、このシーズニングはインスタントコーヒーを生んだ日本の伝統文化でもあり、高度技術を応用したお家芸でもあるのです。
このシーズニングという代物に私は調理以外に応用できる可能性を見いだしているのです、ヒントとしてシーズニングの最新技術をあげておきます。
一つはマイクロカプセル化という技術、天然素材で作られた微粉末の中に乳酸菌などの菌類や酵素を活きた状態で閉じ込める技術が実現化しています。
これは今、大手乳業企業が製品化に向け動き出しています、サプリメントでは数年前から実現しています、しかしシーズニングとしてはこれから大いに注目されてくるでしょう。
その他にも最新技術を使い機能食材に転じる大きな課題がクリアになっているのです、このカテゴリはもう食品加工技術ではなくバイオ技術の領域にまで達しているのです。