2024年3月19日 09:00
日本人の麺好きは世界でも断トツで、例えばラーメンは麺の発祥国である中国をはるかに上回り今では「ジャパニーズラーメン」のカテゴリで中国や台湾を始め世界中に出店され大人気を誇っています。
ついこの間のニュースでは、イスラエルでジャパニーズラーメンの店が行列ができるほどのフィーバーぶりで出店が相次いでいるとのことです。
日本の発明である本来は災害時や野外活動での非常食として生まれたインスタントラーメンやカップラーメンも、現地法人への技術供与により世界中で独自の味付けにより製造され常食として愛される食品となりました。
面白いことにインスタントラーメンの年間消費量の世界一位は発祥の国日本ではなく韓国です、日本の人口比40%ということを考えると恐ろしく消費量が多い事が解ります。
韓国で麺といえばインスタントラーメンの事を指すほどで屋台や鍋料理店での麺もすべてインスタントラーメンが使われています、キムチチゲやブデチゲにインスタントラーメンをそのままぶち込むスタイルはさすがに最初は驚きましたが韓国流の煮込んでも柔らかくならないインスタントラーメンには感心します。
さて日本の麺事情に戻りますが、日本では古くから蕎麦・うどん・ソーメンなど日本独自の麺に始まり戦後は加えてラーメン・パスタ・フォー・レンミョン(韓国冷麺)など世界中の麺が食されています、日本ほど世界中の麺を外食で食べられる国は他にありません。
近年では米よりも小麦の方が乾燥状態でのグラム当たりのカロリーは高いが、消化スピードなどの総合的な検証で血糖値の上りが緩やかであり調理状態で判断すると身体に優しい食品という結論も出ているほどです。
ところで何故、麺に興味を持ったのかと言うと日本ではまったく知られていないあるエスニックな麺料理を食べたからなのです、飲食店コンサルティングの各種事業の一環で以前に増して初めて出会う食材や料理を日々スタッフと共にあちこちに出向いては食べまくっています。
そんな中で出会ったこの麺は、太さや断面の形状はパスタのリングイーネに近いのですが食感がまるで違います、うどんでもないしフォーでもなく柔らかすぎず非常に美味しいのです。
色や食感から薄力粉と中力粉のスノーバウダーをミックスして塩と水だけでこねて繋ぎは何も使わず面倒な醗酵処理も行っていないと判断できます、事実表面がツルツルでスルッと入ります。
そしてそのスープがこれまでにないもので、脂分がほぼゼロの透明感のある鶏ガラスープであっさりしていますがコクと酸味とスパイシーさが絶妙なバランスで凄く美味いのです。
味的にはフォーに近いのですがコクが深い割にあっさりとしていて、奄美大島の鶏飯(けいはん)のダシをちょっとスパイシーに仕上げた感じで日本人には絶対受ける味です。
そして具は、骨外しの鶏もも肉を皮ごとパリパリにグリルしてから薄くスライスしてドカンと載せてあります、香り付けのスパイスも含めてスープと具のバランスが本当にすばらしいです。
1週間に2度も食べてみましたが、飲食した後の満腹状態でも美味いのです、カロリー少なめで味も食感も女性が知れば飛びつくのではないかと思う逸品なのです。
その麺は現在日本では製造されていません、したがって運良く近くに輸入食材の店があればそこで買うか現地から送ってもらうしかないという代物なのだそうです、ネット通販で探してみましたが見当たりませんでした。
その麺を食べた日から麺のことが頭から離れないのです、その後いろいろな麺について猛勉強しました、麺の文化と味と腰を決める小麦の種類や粒の大きさ、繋ぎの食材に味のベースであるスープに具に世界には実に多種多様の麺と麺料理が存在しているのです。
昔から「ふと何かが降りてきて寝食を忘れて没頭するときは必然となる事が多い」、というのが私の経験上の事実でもあります、これまでにない新しい麺料理、何時の日かジャパニーズラーメンのように日本版にアレンジして作り出したいと思います。