2023年8月 8日 09:00
イタリアン料理でよく使われる「ルッコラ」ですが実は栽培されるようになったのはほんの20年程前です、それまではイタリアの野原のあちらこちらに自生していた単なる野草(雑草)です。
「ルッコラ」は和名で「キバナスズシロ」、つまりダイコンの一種ですがダイコンほどは根は大きくならない種で生で味わえば確かに大根の味がかすかにします。
シュンギクもヨーロッパの国々では鑑賞用に栽培されていた地中海原産の川辺に生えていたキク科の野草です、これを中国人が食材として利用し野菜として栽培されるようになりました。
日本にも食用に適する野草は多数あるだろうと調べてみたら、何と恐ろしいほどの種類が存在していました。
結論的には、「毒性が無ければ味は別にしてほとんどの野草(雑草)は食べられる」ことが解りました。
ただし、ヨモギやセリなどとそっくりな強毒性を持つ野草も多いので、野草を自身で採って食べるのは熟知してからにしたほうが身のためかと思います、死に至らぬまでも全身麻痺や呼吸困難に陥り長期入院も覚悟しなければならなくなります。
何でも手に入る時代です、健康ブームが熟して意外やこういう野草系が今後のトレンドになるのかもしれません。
その理由の一つが野草には多くの希少な薬効成分が含まれているからです、つまり食べているだけで健康が維持され長生きできるからです。
アジアやヨーロッパには野草を生で食べられる店がたくさん在ります、こういった店では旬な天然野草や山菜を1年中食べられます。
日本でよく目にしているような野草が旬な季節だと何十種類も出てきます、苦い野草や山菜をサラダやステーキの付け合わせでバリバリ食べると翌日には元気いっぱいになります。
日本でもこんな店が誕生する日がそう遠くないのかもしれません、そんなことを考えてなのか6年以上も前から食用タンポポの研究や実験栽培を繰り返しているのです。
千葉の提携農家さんで立派に育った食用タンポポを、20数名でプロのシェフにより創作された数々の料理での試食会、味もさることながら皆さんに大いに受けたことを忘れることはできません。
そういえばセリやクレソンは日本の野草の中では昔から野菜として栽培され売られていましたが、現在では癖のある味が好まれないのか売っている店も少なくなりました。
信州ではセリ・クレソン・ノビル・フキ・シソ・ヨモギ・ツクシ・ナズナなどは田畑のどこにでも生えていて、子供の頃は春になればよく摘みに行ったものです。
大学入学と同時に東京に出てきた私が一番驚いたのが、セリやフキがスーパーで売っていたということです、私の中ではこれらは買ってまで食べるものではないという認識だったので驚きました。
その後に解ったのですが、これらは自然のものではなくて人工的に栽培されている栽培品種という天然とは別のDNAを持った野菜化させたものだったのです、どうりで癖が無くて食べやすいわけです。
薬効的には多少癖が在っても天然ものには敵いません、天然品種をどうにかして自然農法で大量に作れないかと考えています。
野草には多くの貴重な薬効成分が含まれています、現在では大手製薬会社や飲料会社が野草を研究しています。
免疫力アップや体力アップに、心身に効果のある天然ものの野草が食卓に上がる日もそう遠くないのかもしれません。
健康をビジネスにしたい人には、野草レストランや野草の天然栽培は高齢化社会において一考の価値があるかもしれません。