私が確認したエントリークラスのCDプレーヤーで、最も音質と音色が際立っていたのが、このティアックCD-P650(2015年発売、オープン)です。
2018年暮れの時点でまだ新品が手に入り4万~4.5万円で販売されていたことから推測すると、メーカー希望価格は6万円前後ではないかと思います。
正直、この価格では考えられないほどのパフォーマンスに驚かされました。
これは、完全にエントリークラスの域を越えています。
ティアック CD-P650
SACD対応プレーヤーが6万円前後まで落ちてきている中で、USBメモリやモバイルに対応した機能を備えディスクメディアをあえてCDに限定し低価格を打ち出しているのは逆に企画力を見せつけられているようでますますティアックの戦略に魅力さえ感じてしまいます。
まだまだSACDの価格自体がCDの倍の4500円ほどで、本当に高音質を求めてハイエンドシステムを組んでないのであれば、CD音源でもそれなりのシステムを組めばこういったCDプレーヤーで充分に高音質で愉しめます。
さて音質ですが、音出しした瞬間にSACDかと思えるほどの綺麗な中高音域の響きに驚きます、それもそのはずでバーブラウンのDACチップの最新版であるPCM1791Aを使っています。
ティアックの高音質で知られる外付けDACのUD-H01はバーブラウンのモノラルタイプの高級版であるPCM1795を2発使っています。
CD-P650の最新版DACチップはステレオタイプで1発使いのローコストタイプですが、流石にバーブラウンのDACチップの音は響きが最高です。
音の粒立ちが良いというか、くっきりと各楽器の音の輪郭がセパレーションされて本当に心地良い音色です。
発売当時、各賞を受賞し雑誌などでも高い評価を得ていたのも音を出したとたんに納得します。
どうしたらこんなバランスが取れた響きの良い音をこの価格で作れるのか、ティアックの技術力の高さとサウンドコーディネーターの耳の感性には脱帽するしかありません。
癖になる音とはこういう音です、ジャズを聴く人には最高のコストパフォーマンスなCDプレーヤと言えます、音色的にはミドルクラスのリッチな音質領域です。
改めて他の機種と比較すると、ずば抜けて私個人的には好みの音色を奏でてくれます。
デノンのベストセラーなミニコンポーネントシステム、D-F109シリーズのCDプレーヤーDCD-F109(2012年発売、3.6万円)です。
デノン DCD-F109
DCD-755REの横幅をハーフサイズにしたようなデザインで、デザイン性もさることながら音質の評価も高いハイコストパフォーマンス機です。
私の購入品は2015年製で、かなり長い期間製造発売されていたようで単品でも2018年当時新品でオーディオショップのネットモールにて購入できました。
また、このDCD-F109もDCD-755RE同様にロングセラーで、製造終了の現在でも中古市場で50%(程度によって価格が異なる)の価格を堅持し人気の高い逸品です。
音質はナチュラルなどっちかというとマイルド系で打ち込み系のソースも耳障りなく聴き込めます。
低音域もいい感じに締まっています、高音域が少しシャープさに欠けたような優しい音色でデノンの特徴的な音をちょっとソフトにしたような感じですが価格を考慮すれば文句なしです。
こういう音って意外とジャズやロックを大音量で聴いていても疲れなくて良いです、ワーキングBGMでは最高のパフォーマンスを出してくれるでしょう。
大きさも手ごろでPCデスクトップオーディオには持って来いの製品だと思います。
尚、フロントにUSBコネクタがついており、USBメモリに入れた音楽データーの再生も手軽にできます。
まさに、デスクトップでの使用を前提としたようなCDプレーヤーです。
かなり個人的には気に入りました、デスクの脇に置いてみましたが違和感もなく凄くしっくりきます。
デスクの脇で長い付き合いになるような気がします。
上位機種の技術をそのままにコストダウンさせたハイコストパフォーマンスなCDプレーヤーのマランツCD5005/FN(2014年発売、定価3.25万円)です。
6年以上にも渡り製造販売されたロングラン製品です、オーディオ各誌のコストパフォーマンス賞を総なめした実績は確かです。
マランツ CD5005/FN
このCD5005/FNは、オーディオ道楽復活後エントリークラスのCDプレーヤーを6台購入して音を確認した中で、最も私が理想とする音色で個人的に気に入っているCDプレーヤーなのです。
それがなんと、ハーフサイズのシステムコンポのCDプレーヤーと同程度の価格とは本当に驚きます。
音色の味付けでティアックの外付けDACのUD-H01を介してオンキョーの高音質デジタルアンプA-5VLと合わせて現在私の暫定版ですが常用システムとして稼動しているのがエントリークラスの本機なのです。
音色に価格は無関係です、音色が気に入ればハイエンドであろうがエントリークラスであろうが関係ないのが私流なのです。
人も同じです、国籍・老若男女・立場やタイトルなどは無関係、その人が気に入れば付き合い気に入らなければ付き合わない、実に人生観がシンプルそのものです。
そして人も音も気に入れば育てて更に磨きをかける、これも一環としています。
音色は締まった低中音域とシャープな高音域が最大の魅力です、ただ人によってはドンシャリ傾向が強いと感じるかもしれません。
AVアンプに繋ぐとこの傾向が更に強くなります。
その意味で、ティアックの外付けDACであるUD-H01を介して上品な音色に変えて愉しんでいるのです。
何度も言いますが、この音質と音色で3万円とは本当に信じられません、コストパフォーマンス的にはケンブリッジオーディオのCD5に次ぐCDプレーヤーだと思います。
ジャズやロックファンにとって、絶対に買って失望させないCDプレーヤーの一つでしょう。
イギリスの名門にして最大のオーディオメーカーであるケンブリッジオーディオのCDプレーヤーCD-5(2017年発売、定価2万円)です。
ケンブリッジオーディオ CD-5(写真上)
下はコンビとなるプリメインアンプのAM-5
2017年、日本代理店が誕生したのを記念しての限定発売での極めてハイコストパフォーマンスなCDプレーヤーです。
音出し一番、切れの良さといいシャープさといい正直脱帽モノの傑作CDプレーヤーです、これが限定発売とはいえ2万円です!
オーディオ雑誌の各賞を総なめするのは当然です、これは本当に価格に合わない音がします。
正直、買える時に何台買っておいても後悔しないCDプレーヤーだと思います、修理に出すよりもおそらく安いと思いますから。
この音色はDACによるものと思いますが、ケンブリッジオーディオの外付けDACが5万円です、これを考えたら2万円というのは破格値です。
オールジャンルOKですが、ジャズやポップスなどボーカルが本当にメリハリがあって綺麗です、上品な音色のデノンのCDプレーヤーとは対照的な元気いっぱいの音色です。
JBLやダイヤトーンなどの元気で明るい音色のスピーカーと合わせたいところですが、逆に高音域が嫌みに聴こえる部分があります。
ソフトタッチのデノンやヤマハのスピーカーだと、相性がよくオールジャンルOKでバッチリです。
これまで聴いたことの無い音色のCDプレーヤーです、こういう音もアリだと思わせてしまうところが凄いです。
尚、トレイの出し入れの速度や読み込みの早さもピカイチ、何だこのCDプレーヤーは?
デジタルプレーヤーの雄、パイオニアのエントリークラスのCDプレーヤーPD-10AE(2016年発売、定価3万円)です。
パイオニア PD-10AE(上)
下は、音質的にベストマッチするハイコストパフォーマンスなプリメインアンプのヤマハA-S301
上位機種PD-30AEとの同時発売であり、PD-30AEは4.2万円でデジタル出力が付いています。
本機PD-10AEは、あえてアナログ出力のみとして価格を抑えたコストパフォーマンスが高いCDプレーヤーです。
音はアナログしか確認できませんが、極めてナチュラルな音色です。
ただ、価格だけで判断するのは大間違いで、このPD-10AEはステレオ専用の高性能な192kHz/24bitDACを搭載しているのです。
音質ですが、私の場合はプレーヤー類はパイオニアが多いので、個人的には聴き慣れた音色で癖も無く音源の音情報を素直に再生してくれるという経験通りの音色で安心感があります。
その意味ではジャンルを選ばないデノンのプレーヤー類と同質の音色です。
尚、金属質に高音域が伸びた音色を好む人には向きません、アコースティックギターやピアノなどをしっとりと聴きたい人にはぴったりな音色を醸し出すCDプレーヤーだと思います。
そう、レコードを聴いているかのような刺激のないマイルドな音色だとも表現できます。