2023年7月21日 07:00
「土気」
「波」の要素と「五行思想」から得られるキーワード = 土用・中心・大地・内向
「元素」の性質から得られるキーワード = 培地・固執・抱擁・有形
他の「気質」に比べて、「他者の評価」や「自分を認めて欲しい」ということを気にする人が多いのが最大の特徴です。
そして自分の方針や考えに対しては強い拘りを持ち、簡単には変えようとはしません。
例えば、芸術家や音楽家、作家などにおいて「物事に拘る」、「自分流」という面を特別な個性だと評価されれば大成功する可能性が高い気質であると言えます。
表面上の性格的には割りと社交性に富み、積極的に話をしていくところがあるのですが、一旦何かをきっかけに疎外感を感じると「消極的」になってしまい、人の輪に入っていくことはできなくなるかもしれません。
こうなると周囲が自分に近寄って来てくれるのを待つような行動にスイッチしてしまうという、陰陽二面性を持ち合わせています。
また正義感が強く自分で正しいと思ったことには決して屈することはありません、自分の行動や判断は自分の方針を貫きます。
組織においては、自分にとって都合の良い「プライド」を捨てることで周囲と打ち解けることができ、「土気」の本質でもある「何者でも受け入れる」という寛大さが出てくるでしょう。
それには、物事白黒だけでなくグレーも必要であるという事を認めることが肝要です。
「土気」は、人の話の聞き役に回ると本来の良き「癒しの相談者」となれます。
しかし、つい余計なことまで心配になるのか、他人事にまで首を突っ込んでしまい「お節介」だと思われることもあるでしょう。
「土気」の人はまさに培地(メディア)のように、気に入った物を自分の中に自分の物(者)として取り込んでしまうというような一面を持ち合わせています。
この結果として、憧れる人を完全コピーした「なりきり」という得意技を見せる人もいます。
また「なりきり」までは行かないまでも、他者の気に入ったところを真似る事に関しては「土気」にとっては何も特別なことではなく無意識のうちに極自然に行ってしまうでしょう。
この他者を取りこんでしまうという性質は時に「共依存」に移行しやすく、人間関係を良好に保つためには例え親友や恋人であっても精神的に適度な距離を置いて接することが肝要となります。
更に、自分の思いと相手の反応のすれ違いが連続すると、「人間不信」を覚える「土気」も少なくはありません、思い込みによって「ひとり相撲」を取ることもあるので注意を要します。
最後に、「波気」の人が精神的な存在感を得ようとするのに対して、「土気」の人は物質的な存在感を得ようとします、これは自分が生きている実感を得るための行動です。
例えば、動物や植物に熱中したり、旅行などいろいろな場所へ行ったり、綺麗な景色を見て食事を楽しんだり、芸術作品や書籍などに生きてきた証を残そうとするかも知れません。
方法はどうであれ、全て生きているという実感を得たいという行動なのです。