2023年5月30日 07:00
動物の身体には隅々まで血管が組織され、人間でいえば47兆個ある各細胞に栄養と酸素を届けています。
血管には動脈と静脈と2つあり、動脈は心臓というポンプの力で血液を送ります、ところが静脈は血液中のアルブミンという栄養素による浸透圧を利用して余分な水分や細胞で消費された栄養素のカスを吸い上げています。
心臓というポンプで動的に血液を流すことから動脈、浸透圧の力で余分な水分などを吸い上げ筋肉の動きなどにより静的に血液を流すことから静脈と呼ばれています。
さて、血管のメカニズムを正しく理解すると、「デトックス」という身体の毒素を排出する方法で世に在る多くの方法は間違っているということに気が付きます。
身体の毒素は何処に溜まっているかと言うと、細胞と細胞の間に存在している間質層に充満している間質液に溜まっているのです。
したがって、間質層から余分な水分と共に吸い上げて腎臓で濾過して尿や便として排出しなければならないのです。
同じように女性に多い浮腫み(むくみ)も同様に間質液が重力と共に下半身に溜まり起こるものです。
ここで重要なのが静脈の機能そのものなのです。
静脈の機能は血中のアルブミン濃度によって決定されます、多ければ浸透圧が強くなりどんどん間質層から水分と栄養素のカス(毒素)を吸い上げてくれます。
つまり、本当の意味でのデトックスや浮腫み改善は静脈の機能強化することに在るのです。
アルブミンは肉や魚に多く含まれており、植物からは摂取する事ができません。
何を言いたいのか解るでしょうか?
そうです、デトックスと称してのファスティングや野菜食は確かに腸内の浄化にはなりますが、細胞間に溜まった本当に悪性の毒素の排出には全く関係ないのです。
むしろ逆効果となる結果が齎されることでしょう。
もう一つ、女性は特に30歳くらいから静脈の毛細血管がどんどん少なくなってきます、60歳では平均で30%が失われると報告されています。
これは身体の冷えにも繋がり、さらに浮腫むようになってしまいます。
美容と健康を本当に意識するなら、身体のメカニズムを正確に知って正しい療法を行ってほしいと願います。
静脈の毛細血管を増やし、機能強化するには良質のタンパク質(必須アミノ酸)とビタミン類は不可欠です。
食事は偏らないように陰陽バランスが取れるように考えたいものです。
身体に悪影響を及ぼすのは肉や魚のタンパク質や脂肪では有りません、それはでんぷん(糖質)の摂取過剰なのです。
これは言うまでもなく理由は簡単です、余った糖質が間質層の中で細胞に消費されないまま毒素(酸化物)に変化するからです。
皮膚疾患での脂肪酸化物過剰、精神疾患でのモノアミン系脳内ホルモン分泌異常、誤った健康法が齎している可能性が極めて高いのではないでしょうか?