中小企業のための補助金・助成金講座(1)補助金ってお金がもらえるの?
2023年11月20日 10:00
補助金ってお金がもらえるの?
この講座は、中小企業の経営者様向けに補助金や助成金の申請のコツ、採択された後の処理の仕方などをお伝えすることが目的です。
問題:補助金とはいったいどんなもの?
(1) 国からお金をもらって事業が出来る!
(2) お金を払ってから一部だけが交付される!
(3) タダでお金がもらえる!
正解は、(2)です。
補助金・助成金といえば「国からお金をもらえる!」と思ってしまいがちです。
実際そのような方を何人も見ています、ですが正しくは違います。
補助金・助成金は行政の目的に沿っており、その効果が得られると想定される事業に対してその補助金の対象になる経費のうち定められた補助率・助成率を交付するというものであり、そのほとんどが精算払い(後払い)です。
つまり、申請する事業の内うち一部経費を交付してもらえますが、受け取れるのは全ての経費を支払った後になるので一旦事業経費を全て負担しなければならないのです。
補助金と助成金の明確な違いはありませんが、中小企業が受けられる補助金・助成金では、
中小企業向け補助金 ・・・ 補助率 2/3
中小企業向け助成金 ・・・ 助成率 1/2
というのをよく見かけます。
補助率2/3というのは、補助金1,000万円の場合は自社で先に1,500万円を使わなければならないのです。
助成率1/2なら、2,000円最初に出ていきます。
そしてその経費を審査し、問題ないとされた経費に対してだけ補助金・助成金が支払われます。
つまり、補助金・助成金は、最初にお金がなければ出来ないのです。
しかも、通常は1,000万円クラスが多いので、500万円は自社負担して事業を行うことになります。
したがって、お金がもらえるというわけではないのです。
これは、行政の目的が経済を回すことにあるためです。
一部を負担して、国内の経済循環を良くしようという意図があります。
補助金・助成金は税金から成り立っているものが多いです、その税金を使って事業をするのですから採択された企業もタダでやるわけにはいきません。
やはりある程度の資金は支出しなければならないのです。
ただし、最初に事業資金が無いから補助金・助成金を申請したいのだということはわかっているので、多くが「つなぎ融資」というものを用意しています。
採択された場合に、補助事業・助成事業に対して融資が得られるというものです。
これがあるから事業を遂行していけるんですね。
つまり、補助金・助成金とは、申請をして採択されたなら融資を得て事業を行い、その一部を負担してもらえる。
というものなのです。