2026年8月 3日 10:00
日本のサイバーセキュリティ対策は侵入を防ぐ受動的な防御からシステム内部に潜む危険を自ら探し出す能動的な対応へと大きな転換期を迎えています。
2026年7月31日に開催された第6回サイバーセキュリティ戦略本部において、政府はサイバーセキュリティ2026や重要インフラ統一基準の改定と併せ能動的な脅威捜索手法である脅威ハンティングの普及促進に係る基本方針を正式に決定しました。
従来の対策は既知のウイルスや異常な通信のアラートを検知して対処する仕組みが主流でした。
しかし近年ではOS標準の管理ツールを悪用して正規の利用者を装う攻撃など、既存の監視をすり抜ける高度な手口が急増しています。
こうした攻撃者はネットワーク内に数ヶ月にわたり静かに潜伏し、重要なデータを盗み出したりシステム障害を引き起こす機会を伺っています。
このような事態を防ぐためにすでに侵入されているという前提に立ち、不審なログや僅かな違和感を能動的に見つけ出す脅威ハンティングの重要性が高まっています。
この取り組みの要となるのが最新AI技術の活用です。
今回の会合におけるProject YATA-Shieldの取組状況報告でも、例えば金融庁から金融機関における生成AIを活用した不審取引や異常ログの即時検知・防御体制の構築支援といった最新の施策が示されました。
電気、金融、通信、交通、医療といった重要インフラをはじめとする社会インフラの通信ログやシステムデータは膨大であり、人間が目視で確認するには限界があります。
防御側にAIを用いることで広大なデータの中から攻撃者が潜伏している徴候や普段と異なる微細な異常挙動を高速かつ正確に抽出できるようになります。
防御側がAIを組み込むことで攻撃者の滞留時間を極限まで短縮し被害が発生する前に無害化することが可能になります。
社会を支えるインフラの強靭性を高めるためAIと専門技術を組み合わせた官民の強固な連携が始まっており、今後は関連ソリューションや専門人材への投資が急速に伸び、新たなビジネスチャンスが大きく広がっていくと考えられます。
