2023年5月11日 07:00
スケーラビリティとは、ブロックチェーンにおける取引(処理)が過密化してくることによるシステム上の対応を指していいます。
この問題の対応策として、ビットコインでは原論文(Satoshi Nakamoto, 2008)に記載されていながら、いまだ実装されていないSegwit(Segrageted witness)と呼ばれるる技術を開発者側が導入しようとしました。
これはブロックチェーンの容量を見かけ上増やすもので、電子署名部分をブロックから分離して管理するという、今までの仕様と互換性を保ちながら行うシステムの上位互換性のあるアップデートです。
対して、世界最大のマイニンググループであるAntPoolが支持したのは、ブロックチェーンの容量を完全に増やしてしまおうという解決策です。
現在のブロックチェーンのブロック自体は、約3000の取引記録が納められ、その容量が1MBと決められています。
この容量を8MBにまで増加させようというものですが、今までの仕様で作られてきたブロック(取引台帳)は反映されず、事実上全く新しいブロックチェーンができることになってしまうのです。
前者の互換性を持ったままでアップデートを行うことを「ソフトフォーク」、後者の新しい仕様で、新しいブロックチェーンを作ってしまうことを「ハードフォーク」といいます。
中央権限を持たない非中央集権型システムでは、しばしばこのソフトフォークとハードフォークの対立が起こることは否めません。
ビットコインもイーサリアムも、どちらもハードフォークによって複数の仮想通貨に分裂しました。