約2500年前に中国で発刊された「周礼」という古典書に「食医」という医師のことが書かれています、当時の中国では医師は4つの職種に分かれていました、それは「食医」・「疾医」・「傷医」・「獣医」です。
その中で最も高い地位にあったのが「食医」なのです、「食医」は食事療法によって健康を保ち病を事前に防ぐための処方を行う医師のことです、現代で言うと「栄養士」のような存在です。
そして「疾医」は漢方薬などの処方で病を治す今の内科に相当します、「傷医」は切ったり縫ったりと怪我を治す今の外科に相当します、「獣医」は人間ではなく家畜の医師です。
この「食医」の文化が韓国へ伝わり皇帝には必ず専属の「食医」が就いていました、韓国テレビドラマ「チャングムの誓い」(韓国名:大長今=デジャングム)は実話であり、主人公チャングムは皇帝の料理人から女性で朝鮮初の食医となった人でした。
そこで私も日ごろ食べているものがどのような成分を持ち、身体にどのように働くのか非常に興味を持ち調べるようになりました。
驚くことに食品に含まれる成分はその殆どが生薬や液体栄養ドリンクに含まれている成分と同じものでした、つまり栄養素を頭に入れて献立を考えれば特別に漢方薬や滋養強壮剤などを飲まなくても元気で病気知らずでいられるということです。
中国ではバランスの良い食事は「医食同源」と言い現わします、また韓国では「薬食同源」と言い現わします、意味は栄養バランスが取れた食事をすることは医者や薬と同じということです。
本コーナーではその食材に含まれる成分と身体への作用を調査し、少しずつお話しさせていただければと思っております。
アレルギーと言えば小麦や蕎麦、また卵や魚介類などがアレルゲンとなることはよく知られています。
私は子供のころから卵と魚介類アレルギーで、卵は子供の頃に既に克服しているのですが魚介類は今もなお体調が完全じゃない時に食すと全身に発疹が起こり数日間恐ろしい痒みに襲われます。
また35歳くらいで突然発症した花粉アレルギーも年によっては強烈に襲ってきます、私はスギ花粉は大丈夫なのですがハンノキ(シラカバ)花粉とブタクサ花粉がアレルゲンとなります。
そんな私は、常にアレルギーに関する情報を意識的に得るようにしています。
そんな中で最近多くなってきた情報で「口腔アレルギー」という、まだ日本ではあまり知られていないアレルギーが存在しています。
ヨーロッパ各国ではかなり認知されているアレルギーですが、日本でもここ最近多く報告されるようになってきています。
この口腔アレルギーとは意外な食材によるアレルギーで、「口腔」の文字が示すように口の中の粘膜がアレルギー反応を引き起こし強い痒みや腫れ・咳・嘔吐などの症状が出ます。
酷い場合は、唇が赤く腫れあがりアナフィラキシーショックで命に係わる状態になることも報告されています。
研究では花粉アレルギーとの交差反応が認められ、私のようにハンノキ花粉・ブタクサ花粉の花粉症の人は特に要注意です。
こんな口腔アレルギーのアレルゲンとは何かというと、なんとそれはフルーツなのです。
特に梨や桃などは花粉症の人は要注意です、隠し味的に果汁が入っているだけでも引き起こします。
また、花粉症と同様に今まで何ともなかった人が突然発症し、その後はそのフルーツで必ず起こるようになります。
花粉の種類とフルーツの種類との交差反応による関連性も研究されており、どの花粉とどのフルーツが交差反応を引き起こすかがかなり正確に解っています。
製薬会社や病院のサイトにも最近では多くの「口腔アレルギー」に関する情報が載る様になってきています、花粉症の人は一度じっくりと見て予備知識を得ておいた方がよいでしょう。
知る人ぞ知る週末の某テレビ局の料理バトル番組で番組の最後に登場するコーナーが面白くて毎回観てしまいます、それはインスタントや冷凍食品にプロがちょい足しを行うことによって全く別の料理に変身するというものです。
例えば40年前に流行ったカップラーメンのちょい足しはとろけるチーズと梅干です、これ本当にとろけるチーズ版はフレンチのオニオンスープ味に梅干しは和風ラーメンに変身してしまうのです。
そんな感じのプロが既成食品を使って何が合うかを競うコーナーです、これが実に理にかなった味に変わるのです。
その全てを私は実際にやってみて味を確認しました、やはりプロの目の付け所が違います、冷凍の普通の焼きソバが純正のソースを使わず卵黄と塩を加えるだけでパスタのカルボナーラ風に変身してしまうのですから。
これらのアイデアは私もオリジナルレシピのヒントとして使わせてもらっています、そして一番料理の達人に敬意を表したいことは、みなさん味だけではなく健康に留意した食材の組み合わせを行っているということです。
たまたまかもしれません、でも改めて検証するとオリジナルよりも単品で考えた場合に栄養バランスが調っているのです。
これがミシュランで評価される調理のプロの所以なのです、味を極めるのは素人でもできます、でも栄養バランスや身体への負担までも考え尽くされているのがプロの技なのです。
こういった番組を観る時には是非、ここで言っていることを思い起こして観ていただきたいと思います。
野菜に含まれる最も大きな成分は「食物繊維」で水溶性と非水溶性の2種があり、水溶性は血液をさらさらにしてコレステロールを調整し非水溶性はいわゆるファイバーで整腸作用があります。
その野菜の中でも特に「香草/香辛料」と呼ばれるものは野菜本来の成分に加えて独特の成分が含まれており、その成分が独特の味や香りの基となっています。
今回は「ミツバ」です、ミツバは日本各地をはじめ朝鮮半島やサハリンなどに自生するせり科越年生植物で江戸時代には栽培されていたとされる古くから日本では野菜として食されていました。
ミツバの独特な香りや味は「クリプトテーネン」と「ミツバエン」という成分で、神経を静めてストレスや不眠症を解消したり食欲増進の効果が認められています。
ミツバは香りを楽しむ野菜としてお吸い物などで食されていますがカロチンが豊富に含まれており、目や皮膚の粘膜を保護し視力低下や肌のトラブルに効果が有るとされています。
また鎮静効果があるので不眠症やイライラの解消にも効果があるとされています、更にはミネラルも豊富で特に鉄分が豊富であり貧血などにも有効です。
ミツバは血液を浄化させ肝臓にも良いとされています、お吸い物や鍋などに用いて香りだけではなく成分的にも食したい香草の一つです。
野菜に含まれる最も大きな成分は「食物繊維」で水溶性と非水溶性の2種があり、水溶性は血液をさらさらにしてコレステロールを調整し非水溶性はいわゆるファイバーで整腸作用があります。
その野菜の中でも特に「香草/香辛料」と呼ばれるものは野菜本来の成分に加えて独特の成分が含まれており、その成分が独特の味や香りの基となっています。
今回は「トウガラシ」です、トウガラシはアマゾン川流域原産のナス科一年生植物で日本には豊臣秀吉が持ち込んだと言われています、強烈な痛いような辛さは「カプサイシン」というカルカイドで血液の循環作用や殺菌作用が知られています。
ご存知「七味唐辛子」の主成分で他の6種はゴマ、サンショウ、みかんの皮(陳皮)、ノリ、ケシの実、アサの実を細かく粉にしたもので辛味を加えるだけではなく食欲増進や消化を良くすることで知られています。
また保温効果はウォッカに漬けてロシアなどでは良く飲まれており、ワセリンに加えて手や足に塗って防寒に利用されています。
その他の成分としては意外とビタミン類が豊富でカロチン、ビタミンB群、ビタミンCが豊富で実は勿論のこと日本では古くから葉も炒めものなどにして良く食されています。
夏バテ防止や寒さ防止に生活には欠かせない重要な食材として各国で大切に扱われています、中国や韓国をはじめとしたアジア諸国にはまさに生活にもっとも身近な食材と言えるのではないでしょうか。