2024年12月23日 07:00
バブル経済が崩壊しオーディオ界も氷河期とも言える時代に突入します、そんな90年代前半にはフルサイズのコンポーネントからミニサイズのコンポーネントが市場に溢れるようになります。
30Cm程度の幅の安価なアンプやCDプレーヤーが次々と発売され、エントリークラスのシステムコンポがショップにずらりと並んでいました、またそこに使われているスピーカーはみな小型ブックシェルフで如何にも安っぽい作りだったのです。
そんなオーディオ氷河期に、ミニコンポのスピーカーにおけるグレードアップ需要を見通したのかオンキョーからハイグレードな小型ブックシェルフが単体で発売されました、それがD-202Aに始まる202シリーズです。
小型ブックシェルフでありながら大型ブックシェルフにも劣らぬ音質は、オーディオ評論家やマニアの絶賛を受けオーディオ各誌の賞も総なめにしました。
当時はちょうどスピーカーの大御所ダイヤトーンが新たなシリーズを出していた時期で、シリーズの中型スピーカークラスはかなりシェアを奪われたと思います。
ダイヤトーンから新製品が出ないことを尻目に、次々にオーンキョーはブラッシュアップした小型ブックシェルフを市場に投入してはシェアをどんどん拡大させていきます。
気が付けば数年後の1999年にダイヤトーンはオーディオ事業から撤退してしまいます、まさかのダイヤトーンの事業廃止には本当に驚きました。
オンキョーがダイヤトーンに変わってスピーカーの大御所になるとは時代の価値観の変化とは実に非情な結果を齎すものです、時代の流れに素直に乗れた企業がいつの時代も繁栄するのです。