2024年8月23日 07:00
オーディオ道楽に目覚めると誰しもどんどんエスカレートしていきます、そこで音質を良くしようと考え数段階も上のスピーカーを買って繋いでみたら前の安価な方が良かったなどという理不尽な経験も幾度となく繰り返します。
どんなことにもデグレードという更なる向上を目指した行為が、思いとは裏腹に一時的な劣化を起こすという現象があります。
ことオーディオに関してはある意味ではデグレードの連続です、しかしデグレードという経験こそオーディオテクニックを磨いていくのです。
例えばスピーカーは大きさや密閉かバスレフかなどのエンクロージャー方式によって設置するベストな方法がガラッと変わってきます、たまたま最初に買って設置した方法がそのスピーカーではベストな方法であったとしても新しいスピーカーでは最悪な設置になっている可能性があります。
フロア型は床の反射を考慮してユニット位置などを設計していますし、小型ブックシェルフは空間に浮かせるような設置で最高の音質を出せるような設計になっています。
更にはスピーカーの大きさや設置場所によって最適なリスニングポイントが変わってきます、これを知らないと位相反転での合成キャンセルされる最悪なポイントで聴いている可能性もあります。
こういったことはデグレードを解消していく過程で自然に身についてくるノウハウです、まずは自分で経験しないと身につかないのです。
またエントリークラスの製品同士だと音質の相性が出やすく、手持ちのアンプやスピーカーが沢山あればこういった理由も繋ぎ換えればすぐ解るのですが、最初のうちは数セットだけですから理不尽な思いをすることも多々あります。
高価な物に買い替えたら残念な音質になった、そんな投稿が昔からネット上に溢れています。
私は自身が持っている製品でこういった評価を見るとすぐ理由が解ります、多くはスピーカーの場合は設置方法にありますし、アンプの場合はスピーカーとの相性の問題が大きいです。
音質の癖を消し合うように組み合わせるのか、それとも双方の癖をぶつけて出し合うように組み合わせるのか、それぞれの癖をリファレンスを使って解っていると組み合わせで失敗することも少なくなります。
料理でいう調味料の組み合わせに極めて近いのが、オーディオの製品同士の音質の組み合わせと最終音質です。
そして、最終的にどんな味(音質)にしたいのか、それぞれの調味料(アンプやスピーカー)の味(音質)をよく解っていなければ料理を美味しく(高音質)作れないのと同じです。
オーディオデグレード、大いに苦しみ大いに愉しんでこそのオーディオ道楽です、デグレードを起こしたらチャンスとばかりに愉しんで解消法を導くテクニックにチャレンジしてほしいと思います。