2024年6月 7日 07:00
私のオーディオ道楽での愉しみに、当然音質や音色といったそのものを愉しむのは当然だとしてその他にも愉しみが沢山あるのです。
一つは年代別のアンプのフェースデザインの鑑賞です、各社の製品を年代別にじっと見比べていくうちに哲学にも似た設計者の思想が見えてくるのです。
何故、この位置にこのボタンを付けたのか、何故つまみの大きさがこの大きさに決めたのかなど、本当に工業デザインとは奥が深いと思います。
そして極めつけの愉しみがあります、おそらく数多いオーディオマニアの中でもかなり稀な趣味だと思います。
それはアンプに通電してしばらくすると、熱を帯びてくるので通気口から熱い空気と共に匂いがしてきます、この匂いが愉しみなのです、つまりアンプの匂いフェチです。
面白いことにメーカーや製品ごとにかなり違い、さらに年代での匂いの傾向まであるのです。
また同じ製品でも経年経過で匂いが変わってきます、これがまた奥が深いのです、自慢するわけではないのですが、この匂いを嗅ぐとかなりの確率でメーカーと製造年代を当てることができます。
この匂いの原因はトランジスタを放熱フィンに密着させる為に使っている接着剤やトランスの絶縁オイルなどで、熱によって少しずつ蒸発し匂いとなって立ち上るのです。
工業オイルのような匂いや鉄が焼けるような匂いなど様々です、70年代のアンプに多いのですが鼻にツンとくる化学薬品のような匂いを放つアンプもあります。
押し並べて心地良い匂いではありません、個人的には部屋に漂わせたくない嫌いな匂いです。
でもアンプが放つ匂いもそのアンプの個性であり、音質と共に記憶するとより明確にアンプの音質や音色が記憶できるのです。
音質と臭い、これでメーカーと製造年度がほぼ解るなら一種のソムリエですね。