2024年2月 5日 07:00
バブル経済が崩壊して日本に経済氷河期が訪れます、そして2000年初頭に「失われた10年」という言葉が各所で使われ始めました。
この氷河期は継続し2010年には「失われた20年」という言葉と共に世界中に日本の経済氷河期が伝えられました、更に10年後の2020年には経済大国日本の失墜とまで言われた「失われた30年」という言葉が世界中で使われました。
アジア各国では、日本の失われた30年を経済失策モデルとしたリスクヘッジや危機管理の書籍が多数出版されました。
この経済氷河期といえる日本の経済状況は事実多くの企業が倒産していきました、そして新たな企業が誕生してきたわけです。
オーディオ業界もこの経済氷河期とシンクロし、業界のパワーバランス大きく塗り替えられることになりました。
この間にオーディオや映像メディアのデジタル大変革も勃発し、昨日まで繁栄したメーカーが消え昨日までくすぶっていたメーカーが台頭してきたのです。
さて、この失われた30年とシンクロしたオーディオ氷河期は多くのオーディオマニアがオーディオから手を引くようになります。
オーディオのイベントも開催されなくなり、また開催されてもガランとしていました、経済氷河期とは本当に凍り付くような寒さなのです。
オーディオマニアが狂喜乱舞した80年代後半、魅力的な製品で世は溢れかえっていました、それが90年代に入るとエントリークラスの製品ばかりとなり、更にはミニコンポが主流になってきたのです。
これではオーディオマニアが意気消沈するのも当たり前です、私は辛うじてホームシアターに趣向を大きく変えていたのでAVアンプを中心にマイペースに楽しめたのが救いでした。
また、ミニコンポの中でもそのメーカーらしい製品を見つけてはCDによるオーディオ道楽も細々と継続していました。
ただ多くのオーディオ仲間が消えていったことは、オーディオの話しをする機会を失い寂しい思いをした記憶があります。
そんな長期間の経済氷河期の中で2015年辺りからオーディオブームが徐々に回復し、オーディオ業界もようやく息を吹き返しつつあります。
生きていくには不要な道楽事こそが消費が消費を生み経済を活性化させていくのです、生活主体の消費だけでは循環こそ継続してもバブル要素が一切発生せず経済が活性化することはありません。
世に多数ある道楽、ある意味では道楽は生活消費ではなく生活に無関係のバブル消費なのです。
近未来の書店に道楽本が縦積みされ出したら、いよいよ本格的な経済復活の狼煙(のろし)が上がったと喜びましょう。
ただ私は果たして日本に再度バブル景気が誕生するかどうかということに関しては大変疑問視しています、何故なら昭和男のように給与の全てを注ぎ込み寝食を忘れて道楽事に没頭する人が昨今の日本には見られなくなっていますから。