2023年12月11日 07:00
私の大学時代は日本のオーディオ業界が形成されてくるまさにカオスからビッグバンが起きた直後のような状況でした、オーディオ雑誌にはUSマランツやアキュフェーズにラックスマンのハイエンドアンプの広告がびっしりと載っており、それを見てはオーディオ妄想が止まりませんでした。
そして毎日のように友人に「早く30歳になりたい」、「絶対、会社を興して社長になる」と事あるごとに話していたようです、その理由は極めて単純明快で自分でガンガン稼いで好きなようにオーディオにお金を使いたかったからです。
そんな鬱積されたエネルギーが社会人になった瞬間に大爆発を起こしたのです、長期間鬱積されたエネルギーが何かをきっかけに膨張爆発する現象を心理分析学上では「es」という概念を使って説明しています。
そうです「es」の力は本当に凄い破壊力です、社会人になるや否や大学時代とは打って変わって寝る時間も惜しんで最新のIT技術を猛勉強しました。
先輩を尻目にSEとして世界を駆け巡れたのも、25歳で最新技術書籍の出版ができたのも、最新技術での特許出願を連発できたのも、会社を幾つも創設したのも、全てが「オーディオを好きなように愉しみたい」という極めて不純な動機からです。
そして社会人4年目に外資系企業のフリーSEとなり、その2年後に起業し潤沢なオーディオ資金を妄想通りに確保することに成功したのです、この数年間での快進撃の裏に「好きなだけオーディオ製品を買いたい」という強い執念が潜んでいたことは否定しません。
もしも大学時代にオーディオに目覚めていなかったらと平凡なサラリーマンとして一生を終えていたかも知れないと思うのです、強い執念は何時かは必ず実現します、何故なら恐ろしいまでの思考と行動エネルギーが出るのですから。
そういう意味では道楽も執着した目的が在れば強力な生産的原動力となるのです、オーディオ道楽復活で当時を鮮明に思い出しました、そして当時のように思考と行動エネルギーが身体の底から漲ってくるのを自覚しています。
夢の実現は運などではありません、どれだけその実現に執着して我武者羅に行動するかだけの話しです。
考えるだけで具体的な行動も起こさず、繰り返えすルーティングに流されて過ごしていれば、あっという間に人生の時間は終わってしまいます、生きている間だけです愉しめるのは。