2024年2月 1日 09:00
90年代に始まった、オンキョーの小型ブックシェルフスピーカーの快進撃は凄かったです。
毎年数シリーズを複数同時並行で出して行くのですから、またこれと同期してミニコンポセットでの小型ブックシェルフスピーカーも平行して出していきます。
そんなオンキョーの小型ブックシェルフスピーカーは、その系譜も複雑なのですが、中でも最も複雑怪奇な系譜が当時のオンキョーの小型ブックシェルフのフラッグシップ機種であるD-102とD-202シリーズです。
D-102とD-202シリーズは、1994年発売のD-102Aが共通祖先となります。
特に複雑なのはD-102シリーズで、このD-102Aという祖先から2つに枝分かれして本家と分家ではまったく異なるシリーズなのに、何故か同じD-102の名称を使って異なる進化を始めます。
複雑な系譜を辿るオンキョーの小型ブックシェルフD-102シリーズは、オーディオ鑑定士泣かせの代表銘柄なのです。
また本家は、D-102Aの後に別の経路でD-202シリーズに繋がる系譜も見せます、これが実に厄介だったのです。
つまり、本家の正常系と進化系、そして分家の3つの系譜の共通祖先がD-102Aということになるのです。
まず本家のD-202AX LTDに繋がる進化系は、D-102Aから始まりD-102A LTD・D-202A・D-202AⅡ・D-202AⅡ LTD・D-202AX・D-202AX LTDと進化します。
最終版のD-202AX LTDは小型ブックシェルフの名機中の名機、その意味ではD-202AX LTDの系譜もこれで解ります。
オンキョーD-202AX(上)とD-202AX LTD(下)
さて、D-102A本家本元の進化は、D-102Aに始まりD-102AX・D-102AXⅡ・D-102EX・D-102EXG・D-102TXと変化し、途中でD-202AXの進化系へと枝分かれしながらも同期する為に、これもまた混乱を招いています。
分家は、D-102Aを元にサイズダウンさせたD-102A compactが誕生したことに起因しています。
D-102Aに始まり、D-102A compact・D-102ACM・D-102CX・D-102FXと進化します。
どうですか?
同じ時代に紛らわしい名称が乱立したこのオンキョーの小型ブックシェルフの系譜、これを辿るだけでもかなりの時間を要しました。
更に、D-102Aは弟分のシリーズが多数存在してそれぞれにまた同期しながら進化して行くのです。
加えて、同じようなスペックでミニコンポ版もぞろぞろと年代別に存在しているのです。
これをきっちりまとめる元気のある人は、是非ともチャレンジして欲しいと思います。
この数年間に渡る複数同時並行戦略、右を向いても左を向いてもオンキョーの小型ブックシェルフばかり、オンキョーはこの混乱戦略でオーディオ氷河期を乗り越えたのです。
そして、名言「迷ったらオンキョー」を生んだのです、オンキョーが見せたオーディオ氷河期のレジェンドがここにあります。
また、私も事業推進においてこの短期間での「複数同時並行戦略」は、あらゆる事業においても強く意識して参考としている戦略なのです。