2024年2月 5日 09:00
SANSUI(サンスイ)は、1944年創業の日本のオーディオメーカーである山水電気のブランドである。
創業は東京の渋谷で、1970年には東証一部上場を果たしている。
創業者の菊池幸作は山水電気の社名を、「山のごとき不動の理念と水の如き潜在の力」と表現した。
山水電気は創業当時から電源トランスなどのトランスメーカーであったが、60年代後半に海外向けのチューナー・アンプ・スピーカー一体型のレシーバー(高音質ラジオ)がベトナム戦争下の米軍に採用され空前の大ヒットとなり、それをきっかけにオーディオ製品の製造へ事業をシフトする。
70年代~90年代前半にはお家芸である大型の電源+出力トランスを使った重量級のアンプを多数創出し、その多くがいまだに人気を誇る名機と評価されている。
70年代~80年代にかけて、トリオとパイオニアを合わせて「サントリパイ」と言わるオーディオ御三家としてオーディオ界に君臨した。
80年代後半に起きたアンプ798戦争のきっかけが、サンスイのAU-α607だというレジェンドが残っている。
尚、2000年以降、オーディオ氷河期を乗り越えるためにPC周辺機器やホームシアター向けの製品を出すも経営改善には至らず、資本提携先を次々と変え2014年に会社生命に終止符を打つ。
現在サンスイブランドを使ったホームオーディオ製品が出ているが、これは商標を買ったドウシシャが作る製品であり、山水電気とは無関係の製品である。
尚、山水電気の元技術者達はサンスイブランド製品の修理を行う会社を設立している。
修理やオーバーホールに対応しており、常に多数の製品が持ち込まれて大繁盛している。
最後に追記しておくと、私がアンプで最も好きなブランドがサンスイであり、70年代~80年代の重厚なサンスイトーンは今では手に入らないので家宝となりつつある。