世の中には面白い英語の造語があります、その一つに「フォーリンシュマー」という言葉があります、外国人を表す「フォリナー」と消費者を表す「コンシュマー」を掛け合わせたもので、「外国人消費者」という意味で使われています、そしてインバウンドが注目され始めた頃から「フォーリンシュマー」が将来大きなビジネスに成長すると期待されている分野でもあるのです。
私が海外に行って一番困るのが薬や嗜好品の買い物です、それは日本で何時も愛用しているものと違うからです、日本のメーカのものでも現地法人によって製造されその国独自の仕様に変更されているのです。
例えばスナック菓子類などはその国で売っている物の味が判りません、特にASEAN諸国においては味の違いが極まっています、また薬ではもっと深刻で特に痛み止めや風邪薬などでは現地語での成分表示しかないと特にアレルギー持ちは怖くて買うことができません。
そういう味加減や成分などを自国の同等品と対比できるような情報サイトや世界の嗜好品などのデリバリーサービスなどが注目されています、いわゆるアイデアはニッチビジネスですがターゲット層が人口比10%ともなれば既に市場はニッチではなくメガマーケットといえます、ビジネスの原点をこういう世界の情報から教えられるのです、「ニッチなビジネスをメガマーケットで行うこと」、これが革新的な「ニューニッチ戦略」ではないかと思います。
「アイデアビジネスをニッチなマーケットで行うこと」、これは今までの誰もが考える極有りふれたニッチ戦略です、「誰もが手軽にできることをニッチなマーケットで行うこと」、これは取りあえず食うためだけの手段に過ぎず、とてもビジネスとは呼べないものです。
成功とは無縁の人が考えるニッチビジネスとは「食う為の手段」と呼べるようなものなのです、そして「ニッチビジネス」とは利益を産まないことへの「逃げ」の為に造られた言葉ではないということを理解すべきです。
日本は大航海時代には「ジパング」と呼ばれていました、その意味は「金の島」です、当時日本は豊富な金の産出国で皇族の装飾品などに多用されていました、戦国時代になると貨幣や栄華を示すために仏像や建造物にも多用され発掘や製錬技術も極まっていきました。
話しは変わりますが現在中国と北朝鮮にかけての一帯は世界でも有数のレアメタルの宝庫です、まだ採掘は本格的に進められていませんが本格化すれば両国の経済状況は一変します、それだけに政治的な絡みを見せながら世界中がこの地域に注目しています。
ここでレアメタルはどんなものなのかというとモリブデンをはじめとした金属の一部でその特殊性から特に近年では電子素子として大変貴重な金属類なのです、例えば携帯電話や液晶パネルなどには欠かせない部品の原料となり多くは金よりもグラム単価が高いとされます。
ここで何が言いたいかというと日本は金や銀が豊富にあったことでその製錬技術の高さから発掘は世界的にも早期に始まりました、そして金鉱山があるということはその地にはモリブデン・インジウム・ゲルマニウムなどのレアメタルも豊富に存在した可能性が高いということです。
つまり当時金や銀を製錬するために多くのこういった同時に発掘されていたであろうレアメタルが製錬によって消失した可能性が極めて高いのです、早くから発達した技術によってその後に発見された貴重な財産が奪われる事実、これはなにも金だけではありません、現在捨てられている多くの埋蔵物も近未来に新発見などによって一夜にして宝となる可能性が否定できないということなのです。
そしてもう一つ、これは見える物だけではありません、知的財産や人的財産も同じことです、今は不要なものでも将来それが極めて重要なものになるかもしれません。
世の中に何一つ不要なものなどないのです、「不要」と思っているのは現在の自分の価値観の判断基準が違うだけです、失って初めてその存在の大きさを知ったところで手遅れです、これは物も文化もそして人にも言える共通事項なのです。
人口の推移はまさにビジネスに直結する大きな要素の一つです、今後の日本の人口の推移を統計から読むと現在約1億3000万人ですが出生率から計算すると今後急速に減少傾向に入ります。
2030年には1億1600万人となり2045年ごろには1億人、2048年には9900万人となり1億人を割ります、更には2070年ごろには8500万人と現在の3分の2になってしまいます。
人口減少が進む中で逆に高齢者人口比率は逆に上昇してきます、高齢者人口は現在の3600万人から2040年には約4000万人となり、その後は急上昇して40%近くまで伸び続けます。
これらから景気やビジネス環境をどのように読みどのようなビジネス思考するかが成功への重要な要素となります、これから20年間は特にあらゆる統計を読んで時代に合わせて自分やビジネスを変化させていく必要があります。
昨夜までの価値観が一夜にして別のものになってしまう、これから先はこんなことが何時起きてもおかしくない時代になるのです、総人口が減ってくると何か起きるのか、高齢者比率が上昇してくると何か起きるのか?
少なくても少子高齢化時代に重要なことはサービスの対象こそ子供と高齢者かもしれませんがビジネスの対象には成りえないということです、物事を安直に思考するととんでもない過ちを起こしてしまうのです。
近年一つのトレンドともなっているのか私的な資格や認定などを発行する法人が増えています、業種も占いに始まりWeb構築やブランディングといったコンサルティングやコーチングと各種各様の同種の資格認定発行ビジネス、つまりディプロマビジネスが存在しています。
また発行する団体も以前のように財団法人やNPO法人などの公益法人だけではなく一般社団法人や株式会社など発行する側の法人業態も各種各様に広がりを見せています、ある意味においては今まで教えるだけのビジネスから資格や認定を発行し受講者側にも利益活動ができる手法を生み出しているので経済を回すという観点でいうと良い流れでもあります。
ただこのディプロマビジネスには懸念すべきところがあります、それはお金を貰って資格や認定を発行して終わりという無責任な法人が多いのが現状で、これは最初は良いかもしれませんが継続したビジネスには決してなりません。
何故なら資格や認定を受けた人がビジネスとして成り立たないなら不満が爆発し、要らぬところでトラブルが付きまとうようになるからです、また先輩達が上手くビジネスできない状況では後に続く人も出てきません、悪い噂も広がり何れは破綻してしまうでしょう。
ディプロマビジネスで成功させるには発行者は責任をもって授与された人が投資した以上の利益を得られるようにしなければなりません、もし結果に責任が取れないようであれば信用は失墜し取り返しのつかない状況になります、結果責任を取る覚悟が無ければ資格や認定を発行するディプロマビジネスは上手くいきません。
「法人としてビジネスするならB2B(法人対法人)に限る」、これは経営コンサルティングを事業にしていた頃にクライアントに口がすっぱくなるほど言い伝えていました、例えで言えば「1人に1本の薔薇を100人に売るのではなく、たった1人に100本の薔薇を売れ」ということです。
B2Bビジネスは結果が出るまでに時間がかかるかもしれません、しかしたった1つの案件成功でおそらくこれまでの1年分以上の利益が出ることも何ら珍しいことではありません。
私の事業家としてのビジネスはすべてB2Bビジネスに徹しています、何よりも達成感がそれまでのすべての苦労を吹き飛ばすほど大きなものとなるからです、これがB2Bビジネスの破壊力です、しかし起業家の多くはB2Bビジネスが儲かることを解っていながらなぜB2C(法人対個人)ビジネスを展開しようとするのでしょうか?
その一つの理由は有益な法人ルートや人脈が無いことにあります、上場企業と渡り合えるルートも大企業に入り込む人脈もないという事実がそこにあります、またB2Bビジネスの基本は組織力です、組織力が無くB2Bビジネスは行えません、したがって一人で気楽に行えるB2C(正確には、B2CではなくP2P=個人間取引)ビジネスに甘んじてしまうのでしょう、手軽に行えるSNSに頼り簡単に探せる個人を集めては日々銭稼ぎに始終してしまうのです。
もう一つの理由はB2Bビジネスをゼロから行うには多くの時間と資金が必須です、資金が無いがために結果が出るまで待てないというのが事実として存在します、実際問題として何時お金になるのか解らない不安で毎日を暮らすのは例えようも無い恐怖感が襲ってきます。
何をして良いか解らない、日々の活動費も底をついてくる、移動の交通費も昼飯代さえもままならず先細りの恐怖感から営業経費も使えなくなります、その恐怖感から逃げだす結果において日々何かをやって少しでもお金にしようとB2Cビジネスに妥協してしまうのです。
これが1円起業時代に起業した起業家の現実です、真に事業家として成功したいのなら覚悟を決めて個人相手の手軽なB2C思考から早期に脱却することです、ルートはお金を払ってでも法人人脈が豊富な人に依頼することです、そしてB2Bビジネスの成功法則を教えてもらうことに尽きます、日々の生活費は自身が興した事業ではなく日々銭を得られる別のことで稼ぐことです。
今現在の生活を考える手段の為の稼ぎと大きな事を成す目的の為の事業を決して混在させるべきではありません、作家も画家も売れるまではアルバイトで生活を繋いでいます、これは決して恥ずかしいことではありません、自身の夢に妥協するよりも余程立派です、いつまでも個人相手にビジネスを行っているうちは夢の実現などは程遠いと思います。
ちなみに個人相手の商品を製造販売するメーカー、例えば日用品や文房具などのメーカーでB2Cを行っている企業は皆無です、個人相手の商品の企業でさえも卸しに流通に販売とすべてがB2Bビジネスに徹しているのです、現代においてB2Cで成功できる企業は巨大な資金力と組織を抱え莫大な宣伝広告費を使える大企業だけです。
そして実は本来の姿のB2Cビジネスの方がB2Bビジネスよりも大規模になり高収益事業になるのです、これを小さな企業や個人で行えるはずはないのです、極少企業やベンチャー企業、まして個人事業主同様の起業家がB2Cビジネスで思ったような成功を収められる確率はゼロに等しいでしょう。
B2Cビジネスモドキ(P2P)しか行う術がなく「取りあえず食べて行くだけで良い」というのであれば成功などという夢を早期に捨てるべきです、法人化する理由は節税以外に無いのですから、潔く会社を清算して個人事業主になったほうが束縛される法的事項もなく気楽で良いのかもしれません、そもそも法人化する意味はB2Bビジネスを行うための最低限の準備ということです、決して体裁や満足感を得るという自身の為の見栄の表示であってはなりません。