「経済的に苦労することなく安定した生活がしたい」という言葉を耳にします、ではその人たちの言う「安定」とはいったい何でしょうか?
現在の社会情勢の移り変わりの速さはバブル全盛期の比ではなく日進月歩ならず秒進分歩に変化しています、これだけ著しく変化する世の中にあってそもそも「安定」という状況ががはたして成り立つのでしょうか?
確かに公務員になれば国や地方自治体が破綻するのは例外を除き有り得ないのですから安定した生活を送れるかもしれません、しかし実際はどうでしょうか、EUを襲った金融危機のように自治体が破綻したら公務員といえども無職になりかねません。
それではトヨタやユニクロのようなグローバル大企業に勤めれば安定を得られるのでしょうか、会社が大きかろうが倒産のリスクが無いとは言えません、むしろ大きいからこそ変化に対応しきれず淘汰されていく企業は多々あります。
確かに「安定」という単語は耳触りが良いかもしれません、でもその本質は「今のままでいたい」、「自分だけは守られたい」という保身的な考えの表れなのではないでしょうか?
時代の波に乗れる成功者とは予想不能の変化に常に対応していかなければならず逆に「安定」という言葉を嫌います、そして「安定」を使っているうちは成功者への道のりは程遠いものとなることは確かです。
結局のところ今の時代で「安定」状態というのは幻想でしかなく、それよりも変化を積極的に楽しむ姿勢が好ましいと思います、将来の不安に取りつかれて「安定」に憧れるのではなく積極的に変わりゆく今の世を楽しむことです。
例えば誰かにお願いをしたとしましょう、その人がお願いをしっかり行ってくれれば良いのですが、長期間待っても一向に行ってくれなかったとしたらどうでしょう?
イライラしたり感情的になってしまうかもしれません、ただ伝え方が悪くて正確に用件が伝わっていなかったかもしれません、あるいは用件を行っている最中に不測の事態が発生して行うことができなかったのかもしれません。
実はこれらの予め想定できるトラブルはどれも事前に回避可能なのです、つまりお願いをした相手に起こるであろう想定内のトラブルを予測し未然に防ぐ必要があるのです、これは経営においては極めて重要な事項です。
経営者とは社員やパートナーが起こすであろうトラブルを予め想定できる能力を培う必要があります、そして想定を基にトラブルを回避すべく事前策を打っておくことが肝要です
事前策を打たずにトラブルが起こってしまった場合には例え社員やパートナーが起したとはいえ最高責任者である経営者の責任となります、だからこそ上に立つものは何度も何度も見直しと注意喚起を行う必要があるのです。
執拗に確認を何度も行うのは未然にトラブルを防ぎ最終的な利益を上げるためです、年配者に多い「何度も同じことを言う」のはボケているからではなく、確実に物事を進めるための事前策を実行しているのかもしれません。
大手IT企業がAIや人型ロボットを発表し、時代の流れはロボット産業へとシフトしつつあるのは確かなところです。
ところでロボットと言えば先立つこと十数年前に「AIBO」という犬型ロボットが一世を風靡したのが記憶に久しいです、発売当初賛否両論あったとはいえソニーはこれから到来する家庭用ロボットの需要を見込んでAIBOを世に投入したのは間違いないところです。
最近話にも出ないと調べてみたところ2006年に既に製造中止になっていました、物事には確実に「タイミング」というものがあります。
如何に優れた製品・サービスであっても時代が追い付いていなければ市場の理解が得られずに自然淘汰されていきます、逆に時代の波に乗れば製品の性能を需要が追い越し一気に市場を席巻できるのです。
AIBOは充電まで自分で行うなど高機能であったにもかかわらずロボット産業からひっそりと姿を消しました、そしてAIBOを発売したソニーは皮肉にも新時代に苦しい立場に追い込まれています。
もし新しい製品やサービスを展開しようと考えるなら時代を見極め投入するタイミングを見誤らないことです、波を感じるまで動く準備をしつつじっと動かないことです、波を感じたら即動くというタイミングの感覚を磨くのが一つの成功の秘訣だと思います。
国や地域や企業間において意識した方が確実に対象の相手に脅威を感じていると言えます、ビジネスにおいても同様で意識している相手には脅威を感じており既に弱い立場となっていると考えた方がよいでしょう。
そもそも意識するという心理的な要因を分析すればその相手は自身を脅かす可能性がある対象であるからです、脅かす対象でなければ対象の人や企業には臆することなくマイペースに接していられるのです。
問題は過度な意識からくる無意味な防衛行動です、これは必ず相手の知ることとなり不要なトラブルを起こすことにもなります。
こちらが強く意識していたとしても相手は意識していない可能性があります、そこへ相手も意識せざるを得ない事実が起こると突然意識がぶつかり合い互いに緊張が高まります、緊張した状況は正常な状況ではなく一種の興奮状態ですから些細な事がきっかけとなり大きな事件へと発展することもあります。
自身や自身の組織を平穏に保ちたいなら他者を強く意識しないことです、つまりは自身の事を粛々と行っていればよいのです、そして自身のビジネスに直接関係していない人や企業を警戒したり挑発する発言をどんな立場の人にも行わないことです。
それを話した人や企業が何時どんな状態になるかは誰にも予測できません、つまり誰にも漏らさないという保証もありません、ビジネスに重要なのは不要な争いごとを起こさないことが最も平穏にビジネス推進していけるコツなのです、「争いは百害有って一利無し」ということを覚えておくとよいでしょう。
普通人は「他者依存する人」を良くは言いません、でも「他者依存する人」は本当に良くないのでしょうか、実は過去の成功者事例を調査してみると意外や「他者依存する人」が一皮むけると大成功する可能性を秘めています、それよりも自信家で過大な自己評価を行う「自尊心の強い人」は逆に成功していないように思えてきます。
この理由は「他者依存する人」は素直に他者のアドバイスに乗るが「自尊心の強い人」は素直には乗らないからに他なりません、確かに素直に他者のアドバイスに乗るのはリスクは高いかもしれません、しかし依存する人の見極めさえ間違わなければ絶大な力を一瞬にして得ることができるのです。
他方で誰にも着かず離れずで我が道を行く人は賢いようで意外や誰からも相手にされずに孤立してしまう可能性が極めて高いと言えます、手っ取り早い成功は成功している人に素直に乗るに限ります、これが自身は苦労せずして最も効率よく成功を収めることができる戦法でもあります。
歴史の革命児や時代を創造した経営の天才たちをよく調べてみると解ります、頭角を現す前は他者依存によって成り上がっています、自分の理想郷を作り上げるまで他者依存するのは実は極めて効率よい賢者の戦法なのかもしれません。