話は実に上手くできるのに文章を書かせると相手に伝わらない脈絡がなく表現下手な人を多々見かけます、何故話しではスラスラと上手く伝えることができるのに文章はまるで駄目ということが起きるのでしょうか、これは話すということと書くということは全く異なる能力だからです、つまり使われる脳の領域が異なる為に起きるのです。
話す行為は必ず相手がいます、つまり相手の表情や反応を見て自分の設定したゴールに誘導していく能力が求められます、この能力は「ネゴシエーション」であり交渉能力です、相手の反応で言い直しや迂回会話などが自由に且つ有効に機能します。
対して文章を書くという行為は相手がその場にいません、つまりその場の反応での言い直しも迂回も一切機能しません、文章表現だけで相手にこちらが言いたい事を全て理解してもらわなくてはなりません。
この相手に正確に伝える文章を書く能力を「リテラシー」と言い頭の中に在る断片情報を見事に分解再構築し的確な記述によって表現することができる能力です、ただし単純に上手く文章を書く能力を指して「リテラシー」とは言いません、ここを誤解しないように願います。
物事の説明は文章化できても自分の考えや方針を文章化できない、これが「リテラシー能力欠如」という状況です、経営者は事業計画書に始まりパンフレットやホームページ、またメールでの相談や交渉など実に多くの文章表現を求められるシチュエーションが存在します
文章表現が下手な人は経営においてはメールなどで誤解されたり、誤った情報が相手に伝わるなど致命的な事態になることすらあります。
リテラシーは鍛えることは難しい先天的な能力の一つですが鍛えるとしたら文章をたくさん書いてそれなりのノウハウを身につける以外にありません、特にブログは誰が読むか解りません、つまり下手な事は書けませんから 端的に相手に伝わる文章を書くようになります。
ビジネス書籍などで「常識の中に答えは無い」的な表現が使われることが多いのですが、それはいったい何を指しているのでしょうか?
常識とは「既に目の前に存在するもの」に基づいている思考です、現状打破の変化を考えた場合にヒントどころか新しい何かを生む障害にさえなることが多々あるものです。
例えば現時点で消費者が充分満足している商材と同類の商材を新たに市場に投入したところで見向きもされません、これは新規性欠如による感動がないからに他なりません。
起業家は他者と同じことをしていては存在感を出せないばかりかサービスや商材が売れる可能性も極めて低くなります、如何に誰も言わないけど足りないと感じているものを見つけ出し、それを事業として立ち上げ早期に資金投下してイニシアティブを取れるかが成功への近道となります。
ただし「ふと考えた」小手先のアイデア程度の奇策は短期間しか通用しません、表示方法を変えたところで「顧客目線」に適っていなければ見向きもされません、事業とは変わりゆく時代の先にある「目線と感動」に素早く気付き瞬時に対応することで消費者の心を掴み安定した成長と収益が得られるのです。
「常識」とは現在消費者が見ている目の前のものでしかありません、したがって「常識を覆す」とは消費者の見えていない「欲求」に気付き「感動」する方法で提供できること、これが起業家が成功する方法なのです。
正月と言えば私の楽しみの一つが大学対抗の「箱根駅伝」です、2日間に渡る東京箱根間往復の過酷な駅伝は出身大学の応援もさることながら毎回のように人間ドラマに感動します。
この大会への出場は年々過酷になってきました、各校10名を揃えて前年のシード校以外は予選で出場権を勝ち取らなくてはいけません、たった一人のエース級の選手がいてもチームの平均タイムが悪ければ出場すらできないのが現実なのです。
そんな選手を救おうということで始まったのが「学連選抜」という仕組みです、一度廃止されたのですが何度か復活しています、出場すらできない大学の有望選手に出場の機会を与えるというこの制度は実にすばらしいと思います、ちなみに2008年の84回大会では総合4位に食い込むなど輝かしい成果も出しています。
駅伝とは選手全員が一丸となって練習に励み家族のような共同生活で信頼関係を築いて始めて良い成績を収めることができると言われています、しかし即席で作られた知らない者同士でも自身の栄誉をかけて団結することは可能であり、その結果すばらしい成績も収めることができるのです。
こんな「学連選抜」にこれからの日本における起業家の生き残り方を見い出せます、一匹狼でも同じ目的と目標を持つ仲間を集い仮想組織化を可能にするスキームとプラットフォームさえ完璧ならば大企業にも劣らぬ収益を上げ利益を共有する組織が作れるのです。
個々の集まりのバーチャルギルドが大企業を飲みこむ日はそう遠くないうちに実現されるかもしれません、そんな近未来を見据えて今から準備するのも成功者思考なのだと思います。
売れ残って在庫になってしまう商品を「もったいない」と思う気持ちと、本当は売れるはずなのに商品がないため売り損じてしまって「もったいない」と思う気持ちを比較してみましょう。
多くの人は「売れ残って在庫になってしまう商品」に気持ちが行きがちになります、何故なら「売れるはずなのに売れていない商品」というのは目に見えるからに他なりません。
本来なら月に1000個売れるはずの商品なのに500個売れたことに喜んでしまい、商品不足により未来に売ることができなかった500個のチャンスロスに気が付きません。
他方で100個仕入れて900個を売り100個在庫になってしまったとしたら、その売れ残った100個を目の当たりにして次は900個を仕入れその次は800個と仕入れ数を減らしてしまいがちです。
人は多分にチャンスロスよりも在庫ロスに気持ちが行きがちになる本能があります、それは目に見える失敗を自身が意識せざるを得なくなるからに他なりません。
それならば最初から売れ残ることを計算して利益をを最大化する方策を考える必要があります、これが成功する戦略経営手法なのであり最初から計算されたロスをサンクコストと呼びます。
また商品だけではありません、飲食店での食材不足やサービスでの人手不足にも同様のことが言えます、全ての業種において「チャンスロス」を意識した経営戦略が重要不可欠ということです。
どんな業界にも存在する状況を示すステージサイクルを正確に掴んで経営に活かさなくてはいけません、業界に限らず以下のようなステージサイクルが存在しています。
1.カオス期
ポツンポツンと小規模な活動を興す人が表れ思考錯誤で細々と事業を営んでいる状況。
2.黎明期
その中から何社かのリーダー的存在が表れ業界を形成し始める状況。
3.成長期
リーダー的企業の何社かブレークし業界マップが明確に形成され市場規模が膨れ上がってくる状況。
4.拡大・安定期
トップ企業数社、中堅企業数百社、それに群がるサードパーティが数千社を越え、市場規模も拡大し誰もがその存在を知る状況。
5.衰退期
トップ企業や中堅企業から倒産する企業が現れ徐々に市場規模が縮小してくる状況。
6.低位安定期
大型倒産が落ち着き市場規模が落ちるところまで縮小した後、しばらく小康状態が継続する状況。
7.復活期
新たなるリーダー的企業が忽然と現れ、新商品やサービスを引っ提げて業界を再度活性化させ市場もそれに連れて復活してくる状況。
以後3~7を一定のサイクルで繰り返すことになります、あなたの参加している業界は今どの状況でしょうか、業界全体の状況を正確に把握して今何をすべきかの経営戦略を立てて行動することが肝要です。