2024年10月28日 10:00
「何度も言っておいたので伝わっているはずだ」と言う人がいます、ところがいざ蓋を開けてみるとその期待していたはずの人が予想だにしない期待はずれな行動をすることがあります。
上司の「言って聞かせる」はだいたいが部下には通じていません、部下からすれば「上司が何か言っていたな」ぐらいの気持ちでしかないのでしょう、したがって上司が「期待したとおりの働き」は全くといっていいほどできるはずもないのです。
賢い上司とは、「部下が自ら状況を理解し動くように促す」ことを念頭に教育する人です、自ら状況を理解させるためには「今、何を優先すべきか」を教えていかなくてはなりません、それは口頭で教えるのではなく身体に染み込ませなくてはなりません、つまり失敗も含めた経験を通して理解してもらう必要があるのです。
そして口頭で教えるときには状況を具体的に想像できるよう例えや過去の実例を通して幾つかのシミュレーションを提示することが重要です、セブン・アンド・アイホールディングスの鈴木会長は いくら叱り飛ばしてもお店の清掃をしない店長に状況を理解してもらうため薄暗くて汚い店舗に無言で連れて行ったそうです、そこで「お前はこの店を見て買いたいと思うか?」と一言聞いたそうです。
人が自ら動くようになるためには 「具体的に見えるもの、自分で理解できるもの」を目の前に示して 自らが判断できるような状況を作ってやることが肝要なのです、これが生きた教育というものです。
ただし何をしても情けをかけても通じない人は何処にでもいます、厳しいようですが教育する時間と労力が無駄というものです、自ら離れて行くように誘導してあげるのも愛情だと思います、それが双方にとってベストな方法なのです。