2008年に会社法改正に合わせ社団法も改正され、「一般社団法人」という業態企業が誰にでも手軽に設立できるようになりました。
そして改正から5年後の2013年辺りから、世の中に「協会ビジネス」という言葉が発祥しこれで利益を上げようとする社団法人が続々と誕生してきました。
一般社団法人は、その性格上会員組織の運営が主な業務であるはずなのですが、社団法改正により株式会社や合同会社のように収益事業100%でも認められるという点に注目し一般社団法人を興す人が多数現れました。
でもやはり、社団法人は営利企業ではなく営利以外の目的によって組織される団体と見なされる傾向があります。
例えば特定のテーマの調査研究を目的とした組織、ある種の学問の研究や普及活動を行う組織、一般消費者に有益な情報や環境を齎すことを目的とした組織、ディプロマ(認定)を発行する信用母体としての組織、地域の活性化を支援する組織、特定の職業の人を支援する組織など、収益活動よりもボランティアに近い活動を行う目的で設立されるべきだと思います。
この意味からも、私個人的には「協会ビジネス」という言葉に非常に大きな違和感を感じざるを得ません。
しかしこの一般社団法人そのもので収益を上げなくても、自身の持つ別法人や個人事業主として大きな利益を齎す事は可能となります。
会員組織で非営利活動を行う一般社団法人と、事業で収益活動を行う法人や個人事業主、この両輪でのバランスをとった経営にこそ社団活用の大きな意義と価値があります。
例えば収益事業をメインで行う株式会社と、その事業と直結した側面支援を行う合同会社、そしてその事業の信頼性と関係する会員の活動を支援する目的の一般社団法人とがワンセットで存在するように、一つの事業を目的と業務内容により役割を切り分けることでグループ企業トータルでの事業推進と収益化がスムースに図れます。
こういったニーズは益々大きくなってくると思います、特に一般社団法人の会員組織の運営は一つの「村」という集合体であり、これからのクローズドコミュニティ時代にはマッチしています。
場合によっては、一つの事業法人で目的別やカテゴリ別に複数の一般社団法人を経営傘下に入れるという戦略も有益になるでしょう。
協会はあくまでも儲けるためのビジネスをしてはダメなのです、活用方法を上手くすれば大きな存在意味が生まれる反面、下手すればトータルで勘案しコスト増や税額増となり逆効果にもなります。
何をやるにも経営はテクニック次第です、そして会員組織の社団は信頼を生み出すことを目的にしていることを明確にして、収益事業とは一線を引くことが成功の秘訣かもしれません。
起業を考えるとき、会社業態をどうするかも重要なファクターとなりますのでじっくりと考えることが肝要となります、自分では判断できない人は起業コンサルタントや経営コンサルタントに相談するとよいでしょう。
ビジネスの成功とは自身が興した事業が収益化しそれで満足な生活ができて更なる行いたい事業資金が手に入ること、これが一つの目標達成であり一つの成功だと思います。
では人生の成功とは何でしょうか、人によっても異なりますが共通して言えることは「人生に悔いを残さない」ということではないでしょうか?
日本はこれから本格的な高齢者社会に突入します、60歳や65歳で定年退職しますが平均寿命でいえば残る20~30年をどう豊かに過ごすことができるでしょうか?
退職金も期待できない時代です、公務員でさえ20年間の生活を考えるに満足とは言えない金額です、年金合わせても細々とした生活しかできません。
更には退職後に起業するという人もいますが、定年後の起業の多くはあっという間に退職金を費やし更に経済的苦境に陥る高齢破綻者は後を絶ちません。
そうでなくても、今後20年の間に4人に1人の割合で住宅ローンを抱えた高齢者離婚&高齢者生活破綻者が続出するという予測が出されています。
定年退職後の高齢者が自身のやりたかった事をやって悔いの無い人生をまっとうし、更には最期まで元気に満足する生活を継続させる、これができたら本当に人生の成功者であり幸せな人だと思います。
人生成功者になるには成功する正しい方法と最期を迎えるまでのライフプラン、そして資産構築や資産運用、更には高齢者人生上での各種問題を解決していく具体的なテクニックが重要になります。
また、定年退職の人の多くは自身がやってきたことで社会の役に立ち、そして自身の経済的な問題もクリアできたら最高だと考えています。
でも自身がやってきたことをどのように社会に活かせるのか、そしてその具体的な方法は何か、またそれによってどう収益に結びつけるのか、これが解決できずに苦しんでいるのです。
そこで、まさに第二人生を構築し人生をまっとうするいう意味で「セカンドライフ構築支援」という支援カテゴリが必須になると考えられます。
多くの人生経験と事業経験が必要なカテゴリではないかと思います、したがって経験の浅い若い人がこれを行うのは難しいかもしれません、これから日本社会は「高齢者が高齢者を支援する時代」に間違いなくなっていくのですから。
その意味では高齢者起業のきっかけとしても面白いかもしれません、経営者や財務などの経験、または会計士とか税理士をやっていた人であれば一考の価値があるかもしれません。
近年の日本政府による政策の一つに就労人口を増加させ税収の確保が上げられます、具体的な施策として若者・女性・高齢者の起業奨励に力を入れています。
その背景もあり一時期は起業ブームが起こりましたが、ブームに乗って起業するも収益事業を構築できずに早々に破たんする人も増えています、これもまた現実です。
近年では起業1年以内の実質的な破綻率は実に80%という数字も出てきているのです、これらを考えるに「経済的余裕のあるうちに起業したほうがよい」ということが言えます。
起業してビジネスが軌道に乗るまでには最低でも数年間はかかります、これは誰がやっても同じです。
個人事業である程度のビジネスが確立されてからの起業の場合を除き事業計画の策定に始まりホームページの構築に顧客の確保と、あっという間に利益がでるどころか出費し続けるだけで2~3年は経過してしまいます。
そして、期待の融資は実績が無いとなかなか厳しいのも事実で取引状況や収益などはかなり信憑性のある情報を開示しなければなりません、したがって資金調達も容易ではありません。
つまりギリギリの状況で切羽詰まっての起業では、事業構築する前に経済破綻を起こしてしまうのは当たり前なのです。
今は副業を許可する会社も多くなりました、給与を貰っている間に起業して充分に準備してから退社して本格稼働する、これが経済的な観点で言えば理想的な現代の起業スタイルなのかもしれません。
ただ覚悟を決めて「どんな状況になろうが克服して絶対に成功させる」という強い意志が有る場合は潔く退社して裸一貫から起業する、これは上手くいけば極めて短期間で成功を収める場合が多いのも事実です。