2023年12月26日 09:00
食材と飲食店コンサルティングを通して日々強く意識するようになってきたのが「自身の手でオーガニック野菜を作りたい」という気持ちです、以来そんな思いを抱きながら全国の農地を視察しては具体的なイメージを自身の頭の中に作っていきました。
これをどのように具体的に行っていくのかを考えていた矢先になんとタイミングよく法律が変わったのです、これまでも都合良く流れを作ってきた自分でも驚きました、まさか法律が変わるとは思いもしませんでした。
2016年4月1日に施行された「改正農地法」により、「農業生産法人」は「農地所有適格法人」に呼称が変更され「農業法人と」として満たすべく要件が大きく緩和されました。
最近よく聞くようになった「農業法人」とは、法人形態によって農業を営む営利活動組織の総称でその営利活動組織は株式会社であったり合同会社であったりします。
つまり、簡単に言うと目的事項を農業とした株式会社や合同会社を設立して、もしくは既存の会社に農業を目的事項に追加登記し「農地所有適格法人」の指定を受ければ会社として農業を営み任意に利益を得て分配ができるということです。
また、「農地所有適格法人」の指定を受けるための条件として最も重要なのは農地の作付面積と専任職員です。
一定の大きさの農地を所有し(購入もしくは貸借)農業事業に従事する社員やアルバイトがいれば農業を営み利益活動を行う事ができるのです、これまでの個人事業として行うのに比べて農業法人として行うのではあらゆる面で有利になります。
まず営利活動という経営意識の向上、家計と法人会計の分離によるお金の管理方法の徹底などの意識改革があります、これまでざっくりとした金銭感覚で行っていたのと法人会計でしっかり管理するのとでは当然無駄を省いて効率性を追求するようになります。
これによって同じ労力や投下資金でも生産性が大きく変わってきます、少ない投資で市場に安く食材を出すことが可能になってきます、法人格での営業推進により信用性が高まり困難であった企業への直接販売が可能になってきます。
更には経営が上手く回れば雇用機会の提供という社会貢献、税制面や保険などの社会保障、金融機関との取引においても全てが大幅に有利に働くようになります。
自身が経営能力が無くても良いのです、農地があり個人事業として細々とやっている農家の人が第三者の農業法人に農地を貸し従業員として従事すれば毎月安定した賃貸料と給与を手にすることができるのです。
台風や大雨で作物が全滅してしばらくお金が入ってこないという心配も、安く売るしか方法が無かった悔しさからも解放されます、これまでと同じようなライフスタイルを維持しながら生活レベルが一変することに繋がります。
また、親の農地を引き継いでも農地の自由売買の禁止という国策により売るに売れないし農業をやる気も無い、こんな人にも農地を農業法人に貸すことで給与と賃貸料のダブルインカムが期待できます。
これまでの農業スタイルと常識が一変する「農業法人」、農家の価値意識を大きく変える必要が問われてきます。
何時の時代もインフラが大きく変化した時にそれを積極的に有益に活用した人に明るい未来が約束されるのです、どんな職種も「経営はテクニック99%、アイデア1%」です、農業も例外ではなく農業法人への経営&高収穫コンサルティングも今後増えていく業種となるでしょう。
農業で生計を立てたいと考えているのであれば、法人化は一考の価値があると思います、地域の友人知人を巻き込んでの組織化も楽しいかもしれません。