2023年11月28日 09:00
食材の抗菌保存性ということに着目して研究していくうちに、たどり着いたのが燻製でした。
燻製は長時間の醗酵熟成を介さずに長期保存が可能になり、また独特の風味も生まれます。
燻製といえば肉や魚介類はたくさん作られていますし、「いぶりがっこ」のような大根の漬物まで燻製にして楽しまれています。
燻製はサクラ・ブナ・リンゴ・ヒッコリーなどの香りのよい木材のチップを燻して食品に煙による風味付けを行う加工方法です、この煙にはホルムアルデヒトやフェノールが含まれており、これが食品表面のたんぱく質に反応して皮膜を作ります。
この皮膜が菌やカビを寄せ付けず、またハエなどの昆虫類も寄せ付けなくなり長期間の保存が可能となります。
その保存性もさることながら独特の香りが美味しさを倍増させます、特に半日干しした魚や肉、またチーズや卵などたんぱく質が豊富に含まれる食材を燻製加工すると本当に美味しくなります。
じっくり煮込んでから燻製にした燻製卵の味は、この世の物とは思えないほど大変美味しいものとなります。
また木材の種類による香りや、温燻製や冷燻製のように方法によっても味の変化が楽しめて面白いのです。
直接加熱した煙を当てる温燻製は食材も加熱されますが、冷燻製と呼ばれる煙を氷などで冷やして当てる方法だと食材は加熱処理されずに生のまま燻製になります。
この代表格が生ハムとサーモンです、これはお酒のお伴として食せば最高に美味しいです。
採れたての食材をその場で燻製加工にして何か面白いことができないものか、そう思って燻製窯を買ったのはいいのですが、オフィスや自宅では煙の発生と匂いがすごくて実験しただけで本格的な研究までには行きついていません。
食材に拘って食材のカテゴリを絞った燻製加工食品、爆発的なヒットは無いかもしれませんがリピーターを育てれば息の長い事業になると思います。