2024年8月19日 08:00
水の話し-7
これまでに「水」の神秘性、そして生命が誕生・生存するためには「水」は不可欠な物であることなどを説明してきました。
ところで、地球にはどうしてこんなに「水」があるのでしょうか?
太陽の誕生とほぼ同時期に地球も誕生しています、そしてその頃の地球は真っ赤に燃える溶岩の塊でした。
無数の小さなチリ(直径数百m~数十km)が互いの引力によって引き寄せられ激しく衝突しその衝撃の熱によってどろどろに溶けた溶岩です。
またこのときの衝撃によって生成されたアンモニアやメタンなどの一次大気であるガスはあっという間に太陽風に吹き飛ばされたことが判っています。
つまり、地球の「水」はその後の地球そのものが自然に冷えて岩盤が出来た後、火山活動などによる二次大気のガスが更に雨を降らせ岩盤を急速に冷やして、陸地と海を形成し原子地球がほぼ出来たと考えられていました。
しかし、近年になって、この仮説を正解だとして計算しても、溶岩から噴出した二次大気の量と現在の地球の「水」の量に大きな差があるのです。
そうです、地球には「水」が有り過ぎるのです。
では、この「水」は地球自ら作られたものではないとしたら、いったい何処からもたらされたものなのか、これが長年の多くの科学者を悩ませていた頭痛の種だったのです。
話は変わり、近年多くの天文学者の間から「宇宙のカベ」報告が上がっていました。
そのカベは太陽系をすっぽり包み込み、まるで地球の大気のように揺らいでいると言うものです。
そして、どのような方角にも存在しているというのです、つまりこれが「泡小宇宙仮説」の始まりでした、宇宙は石鹸の泡のように幾つもの小さな泡で構成されている、と言うものです。
冥王星を離れ太陽系外へ飛び出したボイジャー1号、2号からのデータなどの分析で、仮説ではなく実際に存在している可能性が極めて高くなりました。
実は、太陽系は巨大なガスのカプセルに包まれていたのです。
最初の発見者のヤン・オールトから名前をとって、このガスのカプセルを「オールトの雲」と呼ばれています。
ボイジャーからのデータでも「オールトの雲」の存在はほぼ確認され、その境界面は波を打つように揺れているようです。
これが、地球の大気のようだと思われた証拠です、この揺らぎが他の恒星を観測していて判ったんですね、これは世紀の大発見です。
<続く>