2024年12月18日 09:00
大赤字の事業であってもなかなか経営者は撤退することを躊躇います、この中止すべき事項があるのに中止できない心理を「コンコルド錯誤」と言います。
「コンコルド錯誤」とは、イギリスとフランスが共同開発した超音速旅客機コンコルド開発プロジェクトの大損失事件から命名された心理作用を指す言葉です。
開発費は当初予想の3倍以上かかった一大事業であったのですが、完成以降も大きな性能向上開発・維持コストが重くのしかかり、プロジェクトの中止の是非を問われても誰も明確な回答ができないまま時間だけが過ぎていきました。
この時に関係者の誰もが存続させることで損失が更に拡大することが解っていても、それまでの多額の投資を惜しみ誰一人として事業廃止の決断ができなかったのです。
この心理は、自身の投資における行動を冷静に思考できずに損しているにも関わらずその状況を脱する行動が取れなくなるというものです。
この状況のときの思考は、これまで投資してきたことを止めてしまうことで損失が確定してしまい、これを回避しようとする思考が損を確定し打開案を探る未来思考よりも大きくなり投資を止められなくなるという心理現象です。
早い段階で損を一旦確定しその後じっくりと挽回策を練る方が傷が浅く回復も早いのですが、潔く判断できるかどうかは経営者の器の大きさによります。