2024年11月27日 09:00
「行雲流水(こううんりゅうすい)」とは雲や水が自然に任せて流れていくが如く、自分の拘りや意思を捨て自然の流れに身を任せることをいいます。
多くの成功者を観てきて思うのが「行雲流水」の4文字です、成功したことがない人の特徴は常に自分の価値の無いプライドを捨てられずに、限界を越えた無理なことを一人頑張っていることです。
成功を何度となく収めている人は、時々の流れで最良の判断を行い最適な施策を瞬時に繰り広げます。
時には数年もかけ莫大な開発費を使って構築したシステムを一度も稼働させずに作り直す判断も躊躇いません、それよりもそのまま稼動させた後の方がトータル的な損失が大きいことを水際で計算できるからです、そこに何らの拘りもありません。
こういったその時々での瞬時の判断や施策を観て「方針がぶれている」と言う人もいます、ここで熟考して欲しいのです、「方針と施策は別次元」のものだということを。
成功している人は他者が何を思おうが関係ありません、その時に最善の方法を見い出し過去に囚われることなく瞬時に有益な施策を実行します。
そして大きな方針(ゴール)だけはぶれることはありません、ぶれるとしたらその時々の判断と施策であって方針ではありません、この施策と方針を混同していては正しくその人の経営手腕や実力を測ることは不可能です。
ヨットの覇者は潮の流れや風の方向を正確に読んで舵を切りバランスを取りながら最良のコースでゴールを目指します、つまりゴールは同じでもその過程は潮の流れや風の方向により進路や操縦方法が常に異なるのです、経営はこれとまったく同じです。
ヨットでの舵を切りバランスを取ることをコロコロ方針を変えると言うでしょうか、経営もヨットの操縦と同じです、ただし見えない思考の中に在る事項ということだけが異なります。
多くの人は見えている事象だけは理解できても、見えない事情を正確に理解することができません、まして自身で事業を興したこともない人の評価なら論外です、見えない事情を正確に理解できる者同士は他者の見えない判断や施策を正確に評価することができます。
「行雲流水の悟り」、これを心得ている人は本当に手強い相手と感じます、こういう人とのビジネスは経営歴40年の私でも程良い緊張感が全身に走ります、表面での作り言葉や都合良い提案などは全て見透かされます。
更にはビジネスに何の意味も持たないプライドや拘りなど一瞬で吹き飛ばされてしまうでしょう、そして双方が正直ベースに本当に真剣勝負を愉しんでビジネスを行うことができる相手だと感じ合えるのです。
こういったビジネス感覚が成熟した人との出会いが、私的にはビジネスで最良の出会いであり本当のパートナーだと感じるのです。
問題が大きければ大きいほど互いに切磋琢磨して乗り越えていく、その先に大きな達成感と関係者全員が大小の利益を得るのです。