2024年5月 1日 09:00
昔から経営の現場で例えに出てくる言葉に「茹蛙(ゆでがえる」というのがあります、この「茹蛙」と言う例えはカエルをいきなりお湯に投げ込むと熱さでとっさに水上ジャンプし何事も無く済みます。
これが水だと心地良いのかそのまま水中に留まります、そこで徐々に水の温度を上げていくと生命に危険を及ぼす温度になっても飛び出さないばかりか、そのまま水中に留まり続けついには茹で上がってしまうという現象からきています。
この茹蛙の状況はビジネスの現場では日常的に見られる光景であり、特に働き盛りと言われる30代~50代は要注意です。
社会への慣れ、人間関係への慣れ、業務の慣れ、そしてこれらがビジネス思考に麻痺状態を引き起こすのです。
経営者ですと、会社や事業が危機的状況であってもそれが日常的になると感覚が麻痺してしまいます。
他者から見ると極めて危険な状況なのに、その会社の経営陣も社員も危機感がまったく無く普通に過ごしていることには驚かされます。
ある日突然のように現在の状況になれば誰でもが気が付き改善できます、徐々に状況が悪化していく場合は殆どの人が気が付かず最悪の場合は気が付いたら倒産していたという事態になってしまうのです。
茹蛙はビジネスだけではなく人生においてあらゆる場面に起こりえます、人の愛情も近すぎて見えないときがあります、何事も今の状況を冷静に考えて感謝すべき人に感謝し関わらなくてよい人とは奇麗に別れる、何事もメリハリを持って対応することです。
「1年も同じことを繰り返すばかりで低位でもがいている」、こんな人は間違いなく茹蛙症候群に陥っています。
先ずは正確に自身と自身が置かれている状況を把握し受け入れること、その後に自身の方法の何が間違っているのかを冷静に思考し是正することが肝要です。
茹蛙症候群は何かおかしいと思いながらも正確に把握することを恐れ、それまでの自身の思考や行動を正しいと信じて変えない人が陥りやすいです。
先ずは「自身の思考と方法はそもそも間違っている」、「自分は思っていたほど器用でもなく有能でもない」、この大きな気付きと深い反省がなければ学び直して自身を変えることは不可能です。
本人は変えているつもりでも周囲から見れば何も変わってないのです、このギャップがいつまでも続くからすれ違いは修正するどころかどんどん乖離していくのです。
自身が築き上げてきた思考を一旦ゼロにする、思考領域が空いたところで再構築する、私が行き詰った時によく用いる思考リセットです。