2024年3月27日 09:00
この数年で面白いビジネスが生まれています、それは「企画屋」ともいえる経営戦略コンサルティングで、大手のシンクタンクなどからスピンアウトした人たちが細々と始めています。
しかし企画を生業とする人に共通する大きな「ああ勘違い」があります、それは自分の仕事はアイデアを出して企画書や事業計画書を作ることだと思っていることです。
ここで「企画」という漢字を分解してみましょう、そうすれば「企画」の本質が見えてきます。
先ず「企」は「くわだて」で、意味は「計画しそれを実行する事」を指します、また「画」は「えがく」で「表現」を意味します、また「具体的な形に落とす」という側面の意味があります。
つまり、「企画」とは、アイデアを出し企画書にまとめて提案することではなく、「アイデアを具体的な形にする計画と実行」のすべてを指し、その結果においてクライアントは納得しお金を出すのです。
多くの企画屋が立派な企画書を作成し提案するものの利益になっていないという現状の理由がここにあります、そして企画の最も重要な事項はアイデアでも計画の中身でもないということです。
企画とは、現状の状況から事業の目的や構成するメンバーの特性など全てを把握したうえで実現可能な具体的な成功シナリオと事業計画を策定し、更にそれを基に実現に向けた行動をクライアントと共に実行して結果を出すことにあるのです。
どんな良いアイデアを出そうが実現不可能なものであれば結果を残すことはできません、更にはクライアントにアイデアを実行させようとしても根拠もない他者のアイデアで貴重な時間を割いて動くことはありません。
自身が逆の立場で考えれば簡単なことです、まさに「絵に描いた餅」とはこのことです。
クライアントが求めているのは具体的且つ理想的な結果のみです、まずはそこを正確に把握し自身で実現して見せるのが企画屋の本質なのです。
その姿勢にクライアントは信頼を寄せ一緒に計画を実行しようと思えるようになるのです、ここに大きな「ああ勘違い」が潜んでおり、コンサルティングとは結果的に人を魅了し動かす人間性がものを言うことを理解していないのです。
アイデアや計画を出せるだけの人なら五万といます、企画屋が評価されるのは決してアイデアでも立派な事業計画書でもありません、アイデアを具体的な形にして結果を出すビジネスセンスとテクニック、さらには行動力とそれに伴う結果が重要であり存在価値なのです、その結果において初めてお金を得られる立場になれるのです。
アイデアや企画書だけは立派、でも実現し結果を残せない頭でっかちな企画屋ならば面倒なだけの存在であり、受ける方は不要な業務が増えるだけで当然お金を支払うことに躊躇うでしょう。
いったい何のための誰のための費用なのかです、目的が自身の利益の為の提案であれば本末転倒もいいところです。
逆に経営者はアイデアや企画書に踊らされずに、その人が本当に結果を出すことを保証できる人なのかどうかをしっかり見極めてほしいと思います。