2023年3月17日 09:00
技術系やサービス系ベンチャー企業経営者に多い勘違いがあります、「自分の会社は凄い物を作れる」、「凄いアイデア商法を持っている」という謳い文句、しかし本当にそれが凄い物なのかを調査してみたでしょうか?
インターネットでちょっと調べただけでも多くの企業が既に持っているものかもしれません、最悪は既に数社が事業化している場合もあります。
経営コンサルタントを行っていた頃は、年間数十社の上記のような事業売込み案件が持ち込まれました。
銀行からの紹介、ベンチャーキャピタルからの紹介、或いはビジネスパートナーからの紹介、サイトからの問い合わせとルートは様々です。
中には、それで上場したいと言う経営者までいました。
しかし、数時間調べただけで多くの企業が既に商品化していたり事業化したりしているものばかりです。
少なくても事業化する前に関連技術や商品の有無、また特許事務所に依頼して同様の特許の出願の有無については調査すべきです。
ただ彼らの気持ちは凄く解るのです、誰しも自分のものは凄い技術や他に無いサービスだと信じたいものですから。
ズバリ、技術系やサービス系ベンチャー企業においての経営の落とし穴の多くは「アイデアや技術に自惚れて胡坐をかくこと」です。
これは完全にプロダクツアウト型の発想です、良い物を作れば売れるという幻想に過ぎません、既にこの段階でいわゆる「ビジネス・パラドックスの罠」にはまってしまっているのです。
成功する企業はマーケットイン型、つまりは世の中が欲しているものを作ったりサービスする企業です。
ベンチャー企業の成功方程式は「良いものを作れる技術」では決してありません、ベンチャー企業とはいえ営利を目的とした法人です、決してボランティアではないのです。
そして投資家評価のポイントは、「利益を継続的に右肩上がりで出して行けるか」なのです。
凄い物を作れる企業や凄いことを考え出した企業なんて世の中に5万とあります、企業とは利益を出して行けるかが勝負です、そう考えて発想の転換をしていただきたいものです。
ただし、本当に他者にできない良い物やアイデアなら別です、これは自動的に利益に変わります。
本物かどうか、それを見切れる目を持つこと、これもまた成功する経営者には重要なことです。