2024年11月 2日 07:00
アクティブ型(アンプ内蔵)のサブウーハーには、デジタルアンプと重低音域だけを取り出すフィルターが内蔵されています。
したがって、アンプのプリアウト端子にサブウーハーを繋ぐと通常の音声情報のうち重低音域しか再生されません。
さて、この特性を応用して疑似マルチアンプ方式というテクニックがあります。
通常は2つのアンプで低音域と中高音域をチャンネルデバイダーで振り分けてそれぞれのスピーカーを駆動するのですが、低音域にアクティブ型サブウーハーを使うとスピーカーに内蔵されたローパスフィルター付きのアンプで駆動されるので、チャンネルデバイダーと低音域専用のアンプが不要になります。
つまり、低音域を楽しむ場合に限ってですが手軽にマルチアンプ方式を実現できるのです。
ということで、今回はこのアクティブサブウーハーを2本使っての疑似マルチアンプ方式を実験してみました。
実験に使用したサブウーハーはヤマハYST-FSW050です。
このサブウーハーは、フロントから重低音を放出するタイプなのでこういった疑似マルチアンプ方式にはうってつけです。
ヤマハ YST-FSW050
通常の音声帯域用には、プロフェッショナルなモニタースピーカーであるJBLコントロール5プラスを使用しました。
実験ではAVアンプのフロントプリアウトにそれぞれ2本のサブウーハーを直結し、5.3Chサラウンドを体感しました。
これは、メインのサブウーハーと合わせたトリプルサブウーハーでの爆音が凄かったです。
部屋の中のあらゆるところが重低音共振を起こして、ビリビリという音を発するほどです。
ミドルクラス以上のAVアンプの多くにはフロントプリアウトとセンタープリアウト、そしてサブウーハー用端子が付いています。
ホームシアターでの5.3Chサラウンドは見事にド迫力のシステムが実現しました。
次は、サラウンドをオフにしてステレオ再生での疑似マルチアンプの音質確認です。
こちらは、かなり低域が持ち上がる感じで通常の音楽鑑賞には相当サブウーハーのボリュームを絞りこまないと不自然な音質になります。
ただし、ドンシャリ傾向の音色が好きな人には1発使いのサブウーハーに戻せなくなるほどハマるかもしれません。
私は一時的にこのダブルサブウーハーでの疑似マルチアンプ方式で愉しんでいた時期があるのですが、どうしてもSF映画などでのどこからともなく聞こえてくる地響きのような重低音が自分好みだと解って戻した経験があります。
どんなジャンルでホームシアターを愉しむかで重低音域の出し方も変わってきます。
ジャンル次第ではこのトリプルサブウーハー方式は虜になってしまう人もいるでしょう。
スペースさえ確保できるなら、ダブルサブウーハー方式と間接的な重低音を再生するメインサブウーハーを使ったトリプルサブウーハー方式が面白いかもしれません。
ただし、問題は狭い空間だと重低音域の位相反転での空間合成で重低音域が相殺されマイナス効果が出る可能性があります。
狭い部屋では、このリスクの方が高いので置き方に充分な注意が必要となるでしょう。