2024年5月 3日 07:00
「歴史は繰り返す」とはいえ、こと電化製品に関しては進化するのみで旧技術に戻ることは普通は有り得ません。
ただしオーディオだけは例外のようです、2000年以降に20年以上前に廃れたはずのカセットテープ&カセットデッキが復活し次いでレコードを聴く為のレコードプレーヤーが復活し新製品の製造も開始されています。
更には70年代にトランジスタ全盛時代を迎えたアンプも真空管アンプのブランドが乱立し今更ながら脚光を浴びています、真空管アンプの大御所であるラックスマンも近年久しぶりに真空管アンプをリメイクし復活させました。
このアナログの復活は私的には大歓迎です、何故なら1000枚以上もあるジャズレコードが再び最新のレコードプレーヤーで聴くことができるのですから、更にはレコードプレーヤー用のイコライザーまで最新デジタル技術を駆使した新製品が誕生してきています。
そもそもオーディオは最終的にはアナログ回路によって電流増幅されスピーカーで空気振動(アナログ)に変換されるわけです、つまりオールデジタルでは音にならないのです。
そういう意味では音質を最終的に決めるのはアナログ回路です、であれば入口から出口までオールアナログの方が音質をコントロールしやすいというのも納得できます。
デジタルオーディオの雄であるCDプレーヤーは、内臓のDACによってアナログ出力する機械という割り切りによってアナログメディアであるカセットテープやレコードと共存できます。
つまりアンプはDACを排除したフォノイコライザーとアナログ増幅機に注力でき、アナログによる音質向上に注力できるようになります。
まさかのアナログ復活、この時代が来ることを正確に読めていたならサンスイはどんなことをしても生き残りを図ったのでしょう、時代の変化とは企業も人も大きなチャンスでもあり逆に大きなピンチでもあるのです。
「歴史は繰り返す」、これを信じて再び天の時が来るのをじっと耐えて待つのか、それとも積極的に変化に順応するのか、この選択をした2者は生き残りそのどちらも選択できなかった中途半端に時代に翻弄された者は確実に淘汰されるということです。
どの時代もどの業界も、生命体も技術や機械もこれに関しては例外はありません。